※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
アメリカのメロディアス・ロック・ユニット、アイ・テン(I-Ten)が、1983年にリリースした1枚目のアルバム『Taking A Cold Look』の2曲目に収録。
このアイ・テンは、トム・ケリーとビリー・スタインバーグを中心としたユニットです。この二人は80年第初期よりソングライターチームとして活動しているんですけど、書き上げてきた楽曲がとにかくスゴイこと!
例えば、マドンナの「Like A Virgin」、シンディ・ローパーの「True Colors」、バングルズの「In Your Room」などをはじめ全米ナンバーワンシングル5曲を含む、多数の有名アーティストに楽曲を提供してきた凄腕ライターなんですね〜。
そんなトムとケリーが、自分たちも表に出てみるか!と、作り上げたのが本作になります。アイ・テンのために書き上げた楽曲はもちろん、ハートの「Alone」、ハネムーン・スウィートの「Taking A Cold Look」、REOスピードワゴンの「I Don't Want To Lose You」と、それぞれがトム&ケリー作の曲をカヴァーをしたオリジナルヴァージョンが収録されています。
さらに、プロデュースがキース・オルセンとTOTOのスティーヴ・ルカサーで、ルカサーはギターも弾いており、TOTOのスティーヴ・ポーカロやデヴィッド・ペイチも参加。まさに品質保証の産業ロック/AOR作と言えるでしょう。
これだけの制作陣にも関わらず、当時さほど流通しなかったこともあり、一時期はプレミアがつく状態になっていましたが、2000年代に入ってCDの再発も何度かあり、今ではストリーミングで手軽に触れられるのは嬉しいことですね〜。
正直なところ、期待を膨らませるほど名盤か?というと、ちょっと物足らないのも事実なんですが、、、産業ロック/AORファンなら必ず押さえておきたい1枚だと思います!
今回は敢えてオリジナル曲からピックアップした「Quicksand」は、哀愁を帯びたAメロ、Bメロとシンセに彩られたキャッチーなサビの対比が俊逸な産業ロック・チューンです!伸びやかにハードなソロを奏でるギターソロもいいですし、トムとケリーのボーカル力もしっかり感じられます。
アルバムとしては、他のアーティストによるカヴァー曲の聴き比べも楽しめるでしょう。トムはすでに作家活動していませんけど、印税生活で悠々自適にやっていけそうですよね〜。
ぜひ、一度聴いてみてください!