歌がなくても魅力的!HM/HRインストゥルメンタルの世界を紹介します。
アメリカのインストゥルメンタル・ロック・バンド、 ディキシー・ドレッグス(DIXIE DREGS)が、1980年にリリースした4枚目のアルバム『Dregs of the Earth 』の5曲目に収録。
このインスト系の括りでは、メタルを勝手にどんどん拡大解釈しています〜(笑)。今回のディキシー・ドレッグスは、つい最近までディープ・パープルで活動し、多大な貢献をした名ギタリスト、スティーヴ・モーズのライフワークと言えるバンドですよね。
加えて、80sメタルファンにはお馴染みのウィンガーのドラマー、名手ロッド・モーゲステインが在籍したバンドであり、スティーヴやロッドの経歴を通じて、ディキシー・ドレッグスまで辿り着いたHM/HRファンもいるでしょう。
1970年にスティーヴとベーシストのアンディ・ウェストを中心に、ジョージア州で結成されたディキシー・ドレッグスは、彼らが音楽を学んだマイアミ大学音楽学部の人脈を中心に形成されていきました。この時期の同大学にはパット・メセニーやジャコ・パストリアスらも含め、音楽コミュニティをなしていたようですから凄いですよね。
学校仕込みの確固たる音楽理論と確かな技量を持つ集団ゆえか、ロック、ジャズをベースにしつつも、フュージョン、プログレ、カントリー、クラシックなど多様な音楽要素が盛り込まれているのが特徴で、大きく「イントゥルトゥルメンタルのバンド」としか形容できない個性を放っています。とにかく演奏も楽曲のユニークさも一級品なので、HM/HRファンが聴いても引っかかるポイントがあるのでは?と思いますね。
今回ピックアップした「The Great Spectacular」は、比較的ストレートでノリが良い、ポジティヴな空気を醸し出すハード・フュージョン的な曲調の中で、スティーヴのハードなギターワークが光るチューンです!
この曲はディキシー・ドレッグスの初レコーディングとなった、75年の自主制作デモアルバムに初収録されており、ここではリレコーディングヴァージョンとなります。彼らのスタジオ作は、ストリーミングでは本作だけが解禁済で、他ではライヴ音源と81年にドレッグスと改名されてからの作品が2枚聴けますね。
ジャケがイマイチな作品が散見されますけど(汗)、いずれも素晴らしいインスト作なので、スティーヴやロッドのプレイに注目しつつ、チャレンジしてほしいものです。それにしても、ウインガーにとってロッドが音楽的にどれだけ大きな存在だったのか、改めてよくわかるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!