ダーク・エンジェル(DARK ANGEL)のギタリスト、ジム・ダーキン(Jim Durkin)が、2023年3月8日、58歳で亡くなりました。
ダーク・エンジェルといえば、今やジーン・ホグランを中心としたイメージが強いですけど、バンドの創始者は誰あろうジムでしたね。81年に前身バンド、シェルショックを結成したのがジムであり、83年にダーク・エンジェルと改名して、85年にはデビュー作『We Have Arrived』をリリースしています。
ジーンの加入は周知の通り2枚目『Darkness Descends』からですので、それ以前のスラッシュ・メタル黎明期に、ジムがエリック・メイヤーとともに刻んだギターリフに次ぐリフの嵐が、ダーク・エンジェルの轟音の礎を築いていったわけです。2人で分け合うソロもいいんですけど、やはりリフ攻撃のイメージの方が強烈ですね。
2枚目以降では、ジーンの壮絶なドラミングとギターリフがシンクロすることで、全てのものをなぎ倒していくような、ダーク・エンジェル独自のサウンドを確立することに成功しましたし、スラッシュを極めた数々の楽曲を作り上げたソングライターとしての功績も大きいでしょう。
個人的には伝説のコンバットツアー「ULTIMATE REVENGE 2」のライヴ映像で、フロント3人がお揃いの上下デニム姿で、ジャクソンVをかき鳴らすジムの若き日の姿を思い出します。
ジムは3枚目『Leave Scars』をもって一度バンドから離脱したものの、2013年に復帰。今年は待望久々の新作のニュースも届いていたところでした。50代という若さで、アルバムの発表を待たずしてこの世を去ってしまったのは、なんとも残念な限りです。
追悼の1曲として、前述したライヴ映像の1曲目に披露された、ジーンとの共作による怒涛豪傑、完全無欠の激速スラッシュ・チューン「The Death of Innocence」を聴きながら、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Jim Durkin