※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
※歌がなくても魅力的!HM/HRインストゥルメンタルの世界を紹介します。
カナダのスラッシュ・メタル・バンド、レイザー(RAZOR)が、1988年にリリースした5枚目のアルバム『Violent Restitution』の1曲目に収録。
スラッシュ黎明期から活動し、伝説的なカナディアンスラッシャーとして、アナイアレイター、ヴォイヴォド、サクリファイスらとともに並び称されるレイザー。2010年代に来日公演も実現し、大阪でのライヴ盤が作られるなど、日本のスラッシュマニアの間では格別に親しみある存在でしょう。
筆者がレイザーを初めて聴いたのは、スラッシュメタルコンピ『Speed Kills II』に収録された代表曲のひとつ「Evil Invaders」でした。カリッカリの独特な音色で刻むギターリフと、ぺらんぺらんの紙でも叩いてそうな(笑)スネアの音に卒倒しましたけど、呪術のようなサビメロと言い、妙に印象に残りましたね。
専門誌のレビューでは、出すアルバムがどれも軒並み低評価を連発してましたが、スラッシュ好きなら何か気になるバンドとして、ムーブメントの黎明期から隆盛~衰退期まで、常に音源を提供し続けてくれた感じがします。
オンタリオのゲルフでレイザーが結成されたのは1983年で、以来、中心人物のデイヴ・カルロは一貫してバンドに在籍。1984年のEP『Armed & Dangerous 』を経て、1985年にデビューフル作『Executioner's Song』、さらには1985年に前述した『Evil Invaders』をリリース。次第にスラッシュ度合いを高めていきました。
さらには3枚目4枚目と毎年のようにリリースするものの、バンド内の不協和音やレーベルとのディールも失うなど苦境を迎えます。そして、リズム隊を一新しドイツのスティームハマーのディールを獲得して、再起をかけたのが本作『Violent Restitution』でした。
この土俵際の変化が全てプラスに働き、サウンドプロダクション、楽曲、パフォーマンスのいずれも、これまでとは段違いのクオリティに進化。名実ともにレイザーの最高傑作と位置付けられる充実作に仕上がりました!本作はなぜか俳優のチャールズ・ロビンソンに捧げられています。
今回ピックアップした「The Marshall Arts」は、巧みなリフとリズムチェンジを繰り返しながら怒涛の勢いで全てをなぎ倒し突き進む、激走スラッシュ・メタルのインスト・チューンです!シャウト一発で始まりますけど、インストといって差し支えないはず(笑)。
この曲に限らず、どの曲もリフの引き出しが豊富でひたすらクールにカッコよく、リズム隊の安定も半端ないので、素直にレイザーのスラッシュワールドに身を委ねられますね~。マニアにとどまらず、もっと評価されるべき作品でしょう。
その後2枚の音源を重ねるも1992年に解散。1996年に再始動し、2022年には25年ぶりの新作をリリースするなど、まだまだ活動を続けてほしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!