※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのハードコア・パンク/ クロスオーバー/スラッシュ・メタル・バンド、クロ・マグス(CRO-MAGS)が、1989年にリリースした2枚目のアルバム『Best Wishes』の1曲目に収録。
YouTubeのおススメで、80年代に物議を醸しだしたNHK-TV特番「パンク VS メタル」がなぜかたまに流れてくるんですけど(笑)、今の時代の感覚で観るとなんだか隔世の感を覚えますよね~。
80年代半ばから両ジャンルのバンド達の中から、お互いをリスペクトする発信がなされていき、やがて対立するイメージなどなくなっていったわけですが、ハードコアパンク側からスラッシュ・メタルに接近した先駆者のひとつがこのクロ・マグスでしょう。
80年代初頭に中心人物のハーレー・フラナガン(B、Vo)らによって結成されたクロ・マグスは、まさにニューヨークのハードコア・ライヴシーンを支える最重要バンドのひとつとして活動を続けてきました。
1986年にフルアルバム『The Age of Quarrel』デビュー。ここでは15曲約33分と短い尺の楽曲を並べ、ジョン・ジョセフ(Vo)が吐き出すメッセージ性を伴う強烈なボイスと荒ぶる音塊をぶつけながら一気に駆け抜ける、NYハードコアの権化のようなサウンドを展開していますね。
そしてジョンが一時バンドを離れ、ハーレーがシンガーを務めて制作されたのが本作『Best Wishes』でした。クリシュナの色合いが濃いジャケットのアートワークが目を引きますが、ここでは一気にスラッシュ・メタル、いやヘヴィ・メタル自体にまで急接近!
自身が確立したNYハードコアテイストを残しつつも、ザックザクのギターリフとタイトなリズムで縦横無尽に激走!整合感を増しまくったサウンドスタイルは、まさに高品質なスラッシュ・メタルそのもので聴き応えがありますね~。
初期2枚はそれぞれ、クロ・マグスのみならず80sのハードコアパンク、スラッシュメタルシーン両方から重要視される作品として評価も高く、作風の違いからどちらを推すか好みが分かれるかもしれません。筆者のようなスラッシュ好きであれば、この2枚目はとりわけ外せない1枚といえるでしょう。
今回ピックアップした「Death Camps」は、もはやスラッシュそのものといえるメタル・チューンです!リフやリズムがいちいちカッコよく、アルバムの他の曲にもいえますけど、8曲で33分と曲の尺がただ約2倍に長くなったわけでなく、ベースソロや扇情的なギターソロ等まで加えて展開していく曲構成もお見事ですね!
その後、メンバーチェンジを繰り返し、解散や復活を経ながら、2020年には目下の最新作もリリース。さらなる新作も準備しているようです。
ぜひ、一度聴いてみてください!