※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのクロスオーバー / スラッシュ・メタル・バンド、M.O.D.(エム・オー・ディー)が、1989年にリリースした2枚目のアルバム『Gross Misconduct』の2曲目に収録。
前回のスラッシュ括りで、D.R.I.をご紹介しましたが、今回はS.O.D.がストリーミング解禁されていないので、M.O.D.でいってみましょう~(ややこしいですね笑)。
「Method Of Destruction」を略したM.O.D.は、86年にニューヨークで結成されたクロスオーバー / スラッシュの草分け的存在のひとつですね。中心人物のビリー・ミラノ(Vo)は、ご存じの通りアンスラックスのスコット・イアンらとともに85年にS.O.D.でシーンに衝撃を与えた後、M.O.D.で活動を開始しました。
デビュー作『U.S.A. for S.O.D.』はスコットがプロデュースしていますし、このタイトルも元々はS.O.D.の次作用に考えられたもので、楽曲もS.O.D.用に作られたものが多く含まれており、実質的にはS.O.D.の延長戦上としてM.O.Dが生まれたと言ってよいでしょう。
バンドの特徴もS.O.D.の世界観をまんま継承。ハードコア、パンクとスラッシュを掛け合わせたボーダレスでクロスオーバーな激烈サウンドと、政治的でアイロニーをたっぷり込めた強烈な歌詞もあいまって、ビリーを中心としたM.O.D.はアンダーグラウンドなシーンで進撃を続けます。
その危険な存在ゆえに、商業的な意味での成功は得られず、当時日本盤化も為されませんでしたが、全米151位とキャリアで最高位まで上がったのが本作でした。我々日本人にはその歌詞の本質は理解できないですけど、サウンド面だけにフォーカスすれば、スラッシュ・メタルをベースに整合感のある音像を展開している本作は、クオリティも高く意外と聴きすいですね。
今回ピックアップした「No Glove No Love」は、強靭なクランチリフとタイトなリズムで激走するスラッシュ色の強めなクロスオーバーチューンです!言葉を吐き捨てていくボーカルスタイルで、S.O.D.の来日公演で拝んだビリーの巨体が(この当時はまだ比較的スリム?でしたが)目に浮かぶようです。
短い曲の中で、特徴的なキメのリズムが幾度となく繰り返され、聴いていると脳内リピートする中毒性があるクールな1曲ですね!サウンドだけでもスラッシュファンにもお勧めできるバンドと言えるでしょう。
ぜひ、一度聴いてみてください!