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【新作レビュー】 ユニヴァースⅢ(UNIVERSE Ⅲ)『Universe Ⅲ』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

スウェーデンハード・ロック・バンド、ユニヴァースⅢ(UNIVERSE Ⅲ)が、2024年5月17日、約6年ぶり3枚目のニュー・アルバムUniverse Ⅲ』をリリースしました。

 

バンド名の「ユニヴァースⅢ」とはなんぞや?と思いきや、80sの北欧メタルマニアにはお馴染みの「ユニヴァース」が転じた「ユニヴァース・インフィニティ」が、さらに転じたバンド名でしたね〜(ややこし〜)。

 

ユニヴァース・インフィニティは以前のコラムでも1曲ご紹介済みでした。

この時もユニヴァースから実に33年ぶりの復活リリースに至る経緯にも触れていたんですけど、その後、音沙汰がなかったので、すっかり一時的な復活だったのか、、と思っていたんですね。

 

ところが6年の歳月を経て、バンド名こそ変遷しているものの、ユニヴァースから続く3枚目のアルバムが届いたことは、古参の北欧メタルバンドを愛する者にとっては喜ばしい限りです。

 

なんでも、ユニヴァース・インフィニティのアルバムリリース後、さらなる曲作りや多少のライヴ活動も行ったようですが、例のコロナ禍のタイミングに重なり、思うような活動ができなくなってしまいました。

 

その中でバンド内の関係にも変化が起こり、ユニヴァースの創始者だったギターのミカエル・クリングが離脱。これでバンドが終わりかと思いきや、2022年にユニヴァースⅢに名を変えて、5人編成での活動継続を決意。SNSを通じて音源制作の情報を発信しつつライヴ活動も行い、ついに海外ではプライド&ジョイから最新作がリリースされたというわけですね。

 

現行ラインナップを整理すると、アンドレアス・エクルンド(Vo)、ペル・ニルソン(G)、ハッセ・ハグマン(B)、フレドリック・クリシュトロム(Key)、アンデルス・ヴェッターシュトロム(Ds)と、シンガーが違い前述のミカエルが不在以外は、80年代のユニヴァース時代のメンバーで構成されています。

 

さて、肝心のサウンドですが、最初に聴いた印象は、よりモダンでヘヴィな要素が増強された(されてしまった?)なあ〜というところでしょうか。元々、80年代当時のユニヴァースは、伝統的な鍵盤奏者を擁するハード・ロックのスタイルを標榜し、純粋なメロハーというスタイルではなかったですらね。

 

ところがユニヴァース・インフィニティでは、メロハー度を増強し、これがドンピシャにハマって、とりわけ以前ご紹介した楽曲や前半の展開は素晴らしいものがありました。それに比べると、今回はヘヴィで洗練されたムードが漂い、かなり違う印象がするのも事実です。この辺りの変化は、ミカエル不在と無関係でしょう。

 

ハウス・オブ・シェキーラに在籍したアンドレアスの歌唱や声質が、どこかサバイバーのジミ・ジェイミソンを彷彿とさせる点があることで、よりライトでメロディアスな楽曲をついつい求めてしまうのかもしれません。

 

とはいえリピしていると、重々しい音像の中にも、やはり「らしい」メロディが散見されて、北欧のメロディアス・ハード系のバンドらしさもそこはかとなく感じられ、古豪らしいソングライティングの巧さも実感できるはず。北欧メロハーマニアなら、やはり一聴しておく作品でしょうね。

 

今回はアルバムの3曲目に収録された「Casa De Los Pollos」をピックアップしました!アルバム中でも比較的明るいテイストを放つメロディアス・ハード・ロック・チューンで、希望を感じさせるようなサビメロの展開が、アンドレアスのヴォイスにマッチして爽快な気持ちにさせてくれます!

 

聴いてほしい度

78

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Casa De Los Pollos

Casa De Los Pollos

  • provided courtesy of iTunes

 

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