※歌がなくても魅力的!HM/HRインストゥルメンタルの世界を紹介します。
アメリカのハード・ロック・ギタリスト、 アンディ・ティモンズ(Andy Timons)が、1994年にリリースした、1枚目のアルバム『Ear X-tacy』の10曲目に収録。
何でも”難でも”弾ける玄人好みのマルチなハード・ロック・ギタリストとして、多くのギターマニアの支持を集めるアンディ・ティモンズ。ソロ、セッションと音源制作を重ねていき、多くの作品を創り上げています。スティーヴ・ヴァイ、ジョー・サトリアーニを始めとしたギタリストとの共演のみならず、幅広いジャンルのアーティストもコラボを果たしていますね。
ハード・ロックを起点にソロギタリストとしての地位を確立したアンディですが、彼の存在を知らしめたのが、ギタリストを務めた80sのヘア・メタル・バンド、デンジャー・デンジャーだったのは、今にして思えば意外ですよね~。
その音源を聴いた段階ですでにリードギターが上手いなあとは思いましたけど、筆者が初来日公演で見たライヴパフォーマンスで確信に変わりました。女性に人気のアイドル的なバンドイメージとは裏腹に各メンバーの力量が確かで、とりわけこのアンディの正確無比なギタープレイに驚いた記憶があります。
結局、デンジャー・デンジャーで2枚を残して、ソロとしてのキャリアを歩み始めたのは、彼のポテンシャルを考えれば必然とも言えるでしょう。そんなソロの第一歩にしてアンディを世に知らしめたデビュー作から、今回ピックアップした「Hiroshima(Pray for Peace)」は、抒情的なメロディが胸に迫り来るギター・インスト・チューンです!
そのメロディからはタイトルの通り、広島をテーマに世界平和を祈念するムードに包まれています。とにかく巧いギタリストなのに流麗なだけでなく、こうしたエモーショナルで情感のこもったプレイスタイルも兼ね備えているのが、アンディの強みですよね。
アルバムには、サトリアーニ風のノリの良いギターロックを始め、ロックのカテゴリーを外れるほどに幅広い曲調が収録されていますが、無理なく自らの表現力で弾ききっているアンディの引き出しの多さに驚嘆をおぼえるでしょう!80sのHM/HRシーンからこういう優れたギタリストが生まれたのは誇らしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!