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【新作レビュー】ヴァンデンバーグ(VANDENBERG)『Sin』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2023年8月25日、オランダのハード・ロック・バンド、ヴァンデンバーグ(VANDENBERGの約3年ぶり5枚目のアルバム『Sinがリリースされました。

 

ヴァンデンバーグ名義での衝撃の復活となった前作が約35年ぶりだったので、3年のスパンはまだ短く感じるほどですね。エイドリアン以外の現在のラインナップを整理すると、ランディ・ファン・デル・エルセン(B)、コーエン・ヘルフスト(Ds)は前作と変わらず、シンガーがロニー・ロメロからマッツ・レヴィンに変わりました。

 

先行曲で感じていたことですが、あくまでもヴァンデンバーグとして聴くならば、通して聴いた感触も変わらず「ヘヴィネス」強過ぎだなと。。マッツといえばトリートで暗黒のヘヴィネス期のフロントマンをつとめたイメージが未だにあり、警戒してしまうんですが(汗)、悪い予感は的中してしまいました。。

 

バート・ヒーリング推しの筆者としては、どのバンドで歌っても同じ色に染めてしまう、前作のロニー・ロメロにも相当に違和感があったものの、試しに今聴き返すと過剰な重々しさがない分、曲調はともかく、音像自体はまだ聴きやすさがありますね。

 

ボーカリストとしての唄法自体は、デビカバ風味が強いマッツの方がやや親和性はあるように思えるんですが、楽曲の方向性が重厚で少々いなたく、ハッキリ言って凡庸な(汗)70sに根差した伝統的ハードロックなので、全盛期の欧州風味の叙情性やキャッチーなメロディを期待するのは、相当に無理があるでしょう。

 

エイドリアンのギタープレイ自体は、随所にらしさを感じつつも、これまた全盛期の群を抜く情感溢れる叙情的な美旋律復権とは到底いかず、耳を惹く印象的なフレーズもほぼなく、かなり物足らなさを感じます。

 

前作ではデビュー作のロゴマーク、今回は2枚目のエイドリアン画伯作による空飛ぶシャークが復活と、まだジャケットはいいんですけど、肝心の中身がヴァンデンバーグ名義に全く追いついてないんですよ。。

 

普通のハード・ロックのアルバムとして捉えれば、それなりの評価は与えられるものの、ヴァンデンバーグと銘打つ限りは、どうしても全体では辛い評価になってしまいます。それにしても、この聴後のすっきりしないモヤモヤ感はなんでしょうか。。

 

そんなこんなで、これといって目立つ曲もないんですけど(汗)、今回は、アルバム8曲目「Baby You've Changedをピックアップしました!白蛇の「Is This Love」を彷彿とさせる、大人のハードなロッカバラードで、哀愁あるサビはフックもしっかりあって、これはなかなか良い曲じゃないですか。マッツもハマってますし、エイドリアンのギターも含めて、この曲が一番昔っぽいテイストを醸し出してます!

 

聴いてほしい度

50

ベイビー・ユーヴ・チェンジド

ベイビー・ユーヴ・チェンジド

  • provided courtesy of iTunes

 

アルバムはこちら!

シン

シン