イギリスのハード・ロック・ギタリスト、バーニー・マースデン(Bernie Marsden)が、72歳で亡くなりました。日付は現時点で不明ですが、2023年8月25日に公式に発表されました。
70s、80sの日本のハード・ロック・ファンにとって、馴染深いギタリストであるバーニーの訃報が届いてしまいました。当時の姿とは随分違う、後年の恰幅が良すぎる体型を見るにつけ、健康状態に影響がありそうにも正直見えていましたが、突然の訃報は残念な限りです。
長きバンドの歴史の中で、何人ものギタリストが変遷してきたホワイトスネイクですけど、最も”らしい”ギタリストを一人挙げるとすれば、個人的にはバーニーになります。初期のホワイトスネイクに心底馴染んでいましたし、ミッキー・ムーディーとのレスポールでのツインギターのコンビネーションは、カヴァーデイルと相性抜群でしたね。
レスポールといえば、バーニーの所有しているのは貴重な59年式のバーストでした。70年代当時はまだヴィンテージギターとはいえないかもですが、その後もステージで惜しげもなく使用していたので、レスポール自体が彼のトレードマークになった感がします。
ソングライティングの面ではカヴァーデイルとは名コンビで、「Hear I Go Again」のような不朽の名曲を2人で生み出しましたが、楽曲が想定以上の形で後年大ブレイクしたのに起因して、2人の間が険悪になったのは残念な事でした。
とはいえ、後年になって雪解けし、揃ってステージに上がったり、バーニーのソロ作にゲスト参加したりしてくれたのは、ファンとしては溜飲が下がる想いでしたね。そんな状況だっただけに、カヴァーデイルからは悲痛な追悼のコメントが、そうした雪解け後の画像とともにSNSで発信されていました。
ホワイトスネイクのギタリストとしてのイメージがいつまでも強かったバーニーですが、以前ご紹介したように、ソロやアラスカと言ったバンドでも多くの作品を残してくれました。
とりわけ豪華なゲストを迎えた79年の初のソロアルバム『And About Time Too』は、いちギタリストのソロアルバムの領域を超えた素晴らしい内容で、今だに愛聴できる1枚ですね。
追悼の1曲は、こちらのアルバムからフュージョンテイストも感じられるハードなインストゥルメンタル・チューン「Head the Ball」をピックアップしてみました。
サイモン・フィリップスがお得意のシンコペーションを入れまくったリズムでしばきまくるドラミングと、珍しく緊張感たっぷりのフレーズを弾きまくるバーニーのリードギターのインタープレイは、かなり刺激的な名演ですね。この曲を聴きながら、ご冥福をお祈りしたいと思います。
R.I.P. Bernie Marsden