※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、エルフ(ELF)が、1972年にリリースした1枚目のアルバム『Elf』の3曲目に収録。
先日ご紹介したザ・ロッズから関連して遡り、デヴィッド・フェインステイン(G)がその昔在籍したエルフをいってみましょう〜。
一般的にはデヴィッド云々ではなく、彼の従兄弟であるロナルド・パナヴァサことロニー・ジェイムス・ディオが在籍した、ロニーのキャリアの原点的なバンドとして広くHM/HRファンに知られていますよね〜。
レインボー以前からリアルタイムでエルフを聴いて、ロニーの才能に元々可能性を感じていた!なんていうツワモノの洋楽ロックマニアもいるでしょうけど、筆者も含めた大半の方々がレインボーから遡って、ロニーのルーツ聴きたさで、エルフに辿りついたことでしょう。
エルフのニューヨークでの結成は60年代にまで遡ります。1967年にシンガーだけでなくベースパートも兼任したロナルド、デヴィッド、ゲイリー・ドリスコール(Ds)ら5人編成による、ザ・エレクトリック・イルヴス名義でスタート。その後、エルフにバンド名が固まるもメンバーが入れ替わり、ゲイリー・ドリスコール(Key)が加入しました。
活動を続ける中で1972年にディープ・パープルのロジャー・グローヴァーとイアン・ペイスに見初められ、2人のプロデュースにより制作されたのがセルフタイトルを冠した本デビュー作でしたね。
白塗りヒゲ姿のロニーが超どアップで迫り来るジャケットから、間違いなくロニーがかつて参加したアルバムなんだ〜(笑)と思いながら初めて聴いたとき、驚きでひっくり返りそうになりました。ゲイリーのピアノをフィーチャーしたホンキートンクでブルージーなハード・ロックンロールは、様式美!に代表されるロニーのその後のイメージと、あまりに大きくかけ離れていますからね。
それでもHM/HRシーン最高のシンガーとしての片鱗は随所に伺えるのは流石です。音楽性こそ異なれど、70sらしいハード・ロックテイストは理屈抜きに十分楽しめますし、ヘヴィネスに走った後期ディオよりむしろしっくりくるかもしれません(汗)。
今回ピックアップした「Never More」は、リリカルなゲイリーのピアノの調べに導かれた、哀愁を帯びたドラマチックなハード・ロック・チューンです!この1曲だけ他曲と色合いが異なりますが、リズムチェンジして次第に盛り上がっていく展開も俊逸で、やはりロニーの歌唱はこうしたタイプの曲の方が映えますよね。デヴィッドも粘り気のある良いギターを奏でています。
その後、メンバーチェンジをしつつ2枚の作品を重ねましたが、発展的にレインボーへと吸収合併されたのは周知の通りでしょう。ストリーミングでは現時点で本作のみ聴くことができます。
ぜひ、一度聴いてみてください!