※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2022年5月27日、ドイツのハード・ロック・ギタリスト、マイケル・シェンカー率いるマイケル・シェンカー・グループ(MICHAEL SCHENKER GROUP)のニュー・アルバム『Universal』がリリースされました。
約1年4ヶ月ぶりという、この手の大御所としては超短いスパンで発表されましたね。今が創作意欲の旬!とばかりに、積極的なアルバムづくりとライヴを行う様は、かつての様々な伝説を覆すように生まれ変わったようで、いやあ驚かされるばかりです。
まさか70歳に迫る高齢になってから、これほどまでにアクティヴに活動を続けるとは、誰が想像したでしょうか〜。ジャケットを見ると元気さ余ってか、フライングVを抱えたままで遂に宇宙に旅立ってしまいましたからね(笑)。
今回のメンバーですが、マイケル・シェンカー・グループ名義で発表された今作でも、完全な固定メンバーにはならず、各パートで数多くのゲストミュージシャンが参加しています。とはいえ、シンガー陣はメインのロニー・ロメロを中心に、ゲイリー・バーデン、マイケル・キスク、ラルフ・シーパーズ等、なかなか強力です。
ベースにはボブ・デイズリー、ドラムはサイモン・フィリップス、ボブ・ロンディネリ、キーボードのトニー・カレイなど興味深い名前を確認できます。これはレインボー時代のロニー・ジェイムズ・ディオに捧げた楽曲が収められているからですね。
さて、前作を割と酷評してしまったので、豪華ゲストが云々と言っても、正直言って全く期待せずに何度かリピしてみたのですが、全体的な印象としては、ベストではなくとも、今回の方が随分と良く感じました!
マイケルに対しての期待値のハードルがかなり下がっているのも、理由のひとつかもしれませんけど(汗)、楽曲やメロディにかつての叙情性が徐々に戻ってきて、古き良きマイケルのギタープレイのテイストを、思った以上に随所で垣間見れるのは評価できるポイントでしょう。
ストリーミングで先行公開されていたオープニングの「Emergency」が、前作に多かった単調な2バス連打の味気ないタイプの曲で、またこのパターンかと思いきや、楽曲やギタープレイも今回は比較的バラエティに富んでいますね。
前述のレインボーをオマージュした「A King Has Gone」が注目されてますけど、そこまで劇的な楽曲でもなく、個人的にはマイケル・キスクが歌うだけでハロウィンにしか聴こえず(汗)、ちょっと違和感がありました。
メインシンガーのロニー・ロメロは各所に出過ぎていて、新鮮味こそないものの、安定した歌唱で自分の役割はきっちりこなしているので、むしろロニーの歌唱でよかったのかもしれません。
あと1点、苦言を呈するなら、楽曲の作りが淡白過ぎて、いいところでぶった斬るように終わってしまうんですよね。。曲数もこんなにいらないので、もう少し1曲を長めにして、かつてのように弾きまくりながらフェイドアウトしていく、後に余韻がジーンと響くアレンジも欲しいところです。
まあ、好きがゆえに考えていると、色々と書いてしまいますけど、キャリアを積んでも新しいマテリアルをこれだけ積極的に創り続ける姿勢には、素直に敬意を表したいと思います!
「Long Long Road」「Turn Off The World」「Fighter」辺りの楽曲も中々いいなあと感じましたけど、今回は最も叙情的な「The Universe」を選んでみました!イントロの泣きのギターフレーズ一発だけで”おっ!”と耳が釘付けになりますね。この曲にはゲイリー・バーデンもゲスト参加しています。
聴いてほしい度
75%
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