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【R.I.P.】アラン・ホワイト(Alan White)/ イエス(YES)

エス(YES)のドラマー、アラン・ホワイト(Alan White)が、2022年5月26日、72歳で亡くなりました。

 

アランもまた、他の多くのロックアーティスト同様に、70歳を少し過ぎた若さにも関わらず、訃報が届いてしまいました。。健康上の問題で、2016年のツアーからは代役を繰り返し立てながら活動していましたし、9月に来日公演が行われるイエスの『危機(Close to the Edge)』50周年記念ツアーにも、6月のイギリスでの日程から参加しないことを先日表明していたので、闘病を長く続けているのは伝わってきました。

 

アランがドラムを始めたのは12歳ですから、ドラマーとして約60年もの永きに渡って、人生の大半を素晴らしい音楽の創作に費やしてくれました。イエスには周知の通り、ビル・ブルーフォードに代わり参加し、実際には『こわれもの(Flagile)』『危機(Close to the Edge)』と言ったお馴染みの作品には参加していないものの、加入して約50年ですから、イエスのビートの大半をアランが刻んできたわけですね。

 

筆者がアランのプレイをライヴで観たのはわずか2度ほどでしたけど、ビルのようにスリリングで派手なドラミングではなく、比較的ゆったりと感じるビートで、自分が前に出るのではなく、楽曲の良さを的確に支えるドラミングを再確認できたのは収穫でした。

 

今回の訃報に際して、ジョン・レノンの「Imagine」を叩いたドラマーとして、紹介されている記事も多かったのは印象的でしたけど、あの不朽の名曲が生み出されたの一因は、アランのそうしたドラマーとしての個性が活かされた結果だったように思えます。

 

その「Imagine」を叩いた時に使用した大切なドラムセットを、4月に窃盗団に盗まれるという被害にあっており、そうしたこともアランの心を痛める原因になってしまったのかもしれません。。

 

アランの名演のひとつである「Awaken」や大ヒット曲「Owner Of A Lonely Heart」辺りも、今日はもちろん聴きたいですが、 追悼の1曲は、イエスのアルバム『Relayer』から「Sound Chaser」をピックアップしてみました。

 

リック・ウェイクマンに代わり、奇才パトリック・モラーツを迎えた本作において、イエス史上に残る超絶なテクニックを各人が惜しげもなく繰り出すこの曲は、ジャズ・ロックとも言えるテイスト醸し出しており、インパクト絶大でしたね。

 

ともすれば破綻しかねない複雑な楽曲構成において、アランは自らの技を駆使しながらも、的確に楽曲を支え抜くドラミングでまとめ上げており、彼がロックシーンに残してくれた名演のひとつといえるでしょう。

 

R.I.P. Alan White

Sound Chaser

Sound Chaser

  • provided courtesy of iTunes