※タイトルに「METAL(メタル)」のワードが入った楽曲を紹介していきます!
アメリカのハード・ロック・ドラマー、 エリック・カー(Eric Carr)が、1999年にリリースしたソロアルバム『Rockology』の3曲目に収録。
今年はHM/HRシーンの話題を独占したキッスの引退劇でしたが、長き栄光の歴史を振り返る中で忘れられないのが、エリック・カーこと、ポール・チャールズ・キャラヴェロの存在でしょう。エリックはピーター・クリスの後任という重責をもろともしない、ヘヴィでダイナミックなドラミングを披露。素顔で勝負した80年代のキッスを勢いづかせる原動力になりましたね。
筆者も1988年の来日時に観たエリックの勇姿を思い出します。多点の深いタムが並んだド派手なドラムセットに囲まれた、カーリーヘアで特徴的なルックスのエリックは、ジーンやポールとともに「魅せる」パフォーマンスができるドラマーでした。1991年に、アーティストとしてまさにこれからという41歳の若さで急悼したのが、今でも惜しまれます。
そんなエリックの没後から長い時間が経過し、リリースされたのが唯一の本ソロアルバムでした。エリックが遺した未発表曲やデモといった未完成音源を、キッス時代の盟友であるブルース・キューリックがプロデュースし、遺作として世に出したわけですね。
これを聴くと、エリックのドラマーにとどまらない、一人のアーティストとしての秘めたるポテンシャルを実感できるでしょう。もちろん、あくまでも未完成音源のレベルではあるものの、その多彩なアイデアや音楽センスの非凡さは十分に伝わるでしょうし、これがキッスでもっと活かされほしかったと思わされます。
今回はメタルタイトル括りですので「Heavy Metal Baby」をピックアップしました!タイトル通り、ブルースのザクザクとしたハード&ヘヴィなギターリフがクールな、ヘヴィ・メタル・チューンですね。
エリックがなぞる歌メロは鼻歌のスキャットのような状態で、歌詞すら入れていません。ブルースによると元の音源が録音されたのは1989年頃で、ドラムもマシーンを使った仮トラックのようです。それでも、十分に聴くに耐えうる貴重な音源ですし、完成形はもっとクールなメタルソングになったことでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!