※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2024年2月23日、イギリスのメロディアス・ハード・ロック・バンド、ライオンハート(LIONHEART)の約3年半ぶり4枚目のアルバム『The Grace Of A Dragonfly』がリリースされました。
リリースから少し経過してまして、すでにストリーミングで聴き込んだり、CDを手に取ったり方々も多いでしょうから、もうレビューはいいかなあ〜なんて思ってたんですが、昨日ブルース・ディッキンソンをレビューしたので、メイデン絡みでこちらもいってみましょう〜。
ライオンハートといえば、80sメタルを愛するものにはデビュー作『Hot Tonight』が真っ先に想起されるんですが、ストリーミングでは未だ未解禁なので、以前無理やり別ヴァージョンで楽曲をご紹介してましたね(笑)。
この『Hot Tonight』発売からちょうど40年の節目に、復活後では3枚目となるニューアルバムがめでたく登場しました〜。ヨーロッパでは前作に続きグレイヴ・ディガーの総帥、クリス・ボルテンダールによるメタルヴィレからですね。
現在のラインナップを念のため整理しておくと、、リー・スモール (Vo) 、デニス・ストラットン(G)、スティーヴ・マン(G)、ロッキー・ニュートン(B)、クライヴ・エドワーズ(Ds)となっています。
バンド自体は元タイガーズ・オブ・パンタンのシンガー、ジェス・コックスと元アイアン・メイデンのデニスが1980年に結成したわけですから、途中に長い空白期間があったとはいえ、44年後の今もライオンハートが存在するとは当時想像がつきませんでした。
80年代当時、メイデンの音楽性とは一線を隠す、よりメロディアな志向のサウンドをライオンハートが標榜したのには驚かされ、心底からこうした音楽がやりたいのか?と、売れ線狙いで魂を売ったように見えた故か、賛否あったように思えます。
実際にバンドは長続きせず1986年に一度解散してしまいましたが、デニスはポール・ディアノとのコラボでメイデンへの未練を見せつつも、プレイング・マンティス、復活したライオンハートを始めとした音楽活動において、メロディアスに拘ったサウンドを一貫して奏でてくれました。
『Hot Tonight』で始まったライオンズハートの方向性は、決して付け焼き刃でも売れ線狙いでもない、デニスが本当にやりたかった音楽だったことを、長い歴史が証明したと言えるでしょうね。
今回のニューアルバムにしても、時代や状況は違えど、徹底してメロディアスに拘り抜いたサウンドが全編貫かれています。俗にいう英国らしさを感じさせる湿り気と哀感を帯びた良質なメロディとムードが立ち込め、ライオンズハートならではの普遍的なメロハーワールドへと誘ってくれます。
そこにはスリルや目新しい要素をは正直ありませんし、強靭なフックを持ったキメ曲が2、3ほしかったように思えます。それでも、キャリアに比して安定したメンバーのパフォーマンスから繰り出される、懐かしさと望郷を覚えさせるサウンドは、普遍ゆえにホッと心が安らぐ感覚を与えてくれるでしょう。
音楽のトレンドとは真逆のこうした音を、2024年に奏でてくれるデニスとライオンハートの信念には拍手を送りたいですね。
今回は日本盤ボーナスとして収録された「Towers of Silver」をピックアップしました!これは『Hot Tonight』に収録された佳曲のリレコーディングヴァージョンになります。他の新曲の数々も良いんですけど、こうして並べて聴くと、デビュー作ならではの良い曲だなあ〜と改めて感じます。
オリジナルのイメージも崩れない好ヴァージョンだけに、いっそ『Hot Tonight』全体をリレコしてくれないかなあ〜。現時点で聴けるのはApple Musicだけですが、ストリーミングにボーナス曲があるのも嬉しい限りです!
聴いてほしい度
84%
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