※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
カナダのメロディアス・ロック・バンド、ストリートハート(STREETHEART)が、1983年にリリースした6枚目のアルバム『Danging with Danger』の2曲目に収録。
中西部サスカチュワン州のレジーナで1976年に結成されたストリートハート。覚えやすいバンド名は裏腹に、多くのカナディアン・ロッカー同様、日本のロックファンには知名度がある存在とは言えないでしょう。
その始まりは、ダリル・グテイル(Key)とケン・"スパイダー"・シンネーブ(B)が出会って2人がウィニペグに活動拠点を移し、ケニー・シールズ(Vo)を迎えたところからでした。
程なくしてアトランティックとディールを獲得し、初音源は1978年の『Meanwhile Back in Paris..』で、ここにはギタリストとしてラヴァー・ボーイのポール・ディーン、ドラマーとして同じくマット・フレネットが参加しています。ケンは後に2001年からラヴァー・ボーイのメンバーとしても活動していますし、同郷のロックシーンの中で、何かと関連のある両バンドと言えるでしょう。
翌年には2枚目の『Under Heaven Over Hell.』をリリース。ポールは脱退してしまいますが、マットはこのアルバムまで参加しています。ローリング・ストーンズのカヴァー「Under My Thumb」も話題となり、両作共に本国で後にプラチナディスクに輝きました。
1980年にはジュノー賞で「年度の最有望グループ」を受賞。そこから1984年まで毎年のようにコンスタントに音源を発表して、本国での知名度を人気を決定づけました。
ストリーミング未解禁の作品が多いですが、1、2枚目に加え現時点で聴ける6枚目から、今回ピックアップした「Comin' True」は、爽快なリフとコード進行が光る、いかにもカナディアンらしいメロディアスでキャッチー、ハードな産業ロック風味のチューンです!
80s風味のスペーシーなシンセやシンガロングしたくなるコーラスワークもフィーチャーされて、ハードエッジなギターも鳴り響き快活なイメージがする点もグッドですね〜。本作のドラマーは後にマカパインでも叩いているビリー・カーマッシ、プロデュースはスペンサー・プロファーが担当しています。
80年代前半にはラッシュ、AC/DCをはじめとした数多の有名バンドとのツアーも行いましたが、1983年に解散。その後1999年に再結成し、カナディアン・ミュージックにおける賞をいくつも獲得するなど、その功績を讃えられました。2017年にケニーが他界してしまいましたが、現在もバンドは継続しています。
ちなみに1984年の7枚目『Buried Treasure』収録の「Hot Cherie」が後にハードラインにカヴァーされていますし、他作品のストリーミング解禁も待ちたいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!