※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
イギリスのメロディアス・ハード・ロック ・バンド、マグナム(MAGNUM)が、1988年にリリースした7枚目のアルバム『Wings of Heaven』の3曲目に収録。
つい最近ですが、マグナムが活動を終了する決意を固めたことを、シンガーのボブ・カトレイが発表しました。バンドの創設メンバーであり、数々の名曲を創り上げてきたギタリスト、トニー・クラーキンが今年1月に亡くなってしまった事実が、直接的な要因になりました。
ボブいわく、「トニーはマグナムの全てだった、自分にとっても全てだった」と語っているように、我々が聴き手側が感じる以上に、作り手自身にとってのトニーの大きさが改めてわかる悲痛なコメントですよね。
そんなマグナムの音源は、以前それほどストリーミング解禁されていませんでしたが、現時点では1月に出た最新作も含め、大半の作品を聴くことができます。1972年の結成以来、活動休止期間も含め50年以上の活動歴の中で、スタジオ作品だけでも23枚に及びます。
そのいずれもが、ブリティッシュの伝統を紡ぎながら、メロディアスであることに拘った作品ばかりで、メロハー好きとしても日本未リリースの作品も多いことから、こうした機会に改めて辿ってみたいなと思わされました。
プログレ風味を纏った初期から次第に楽曲はコンパクトでわかりやすくなっていき、マグナムの持つメロディの良さがよりコマーシャリズムと連動したのが、80年代中期から後期の作品群でしたね。個人的には、この時期のマグナムの作品はいずれも好みのものばかりです。
中でも『Wings of Heaven』は、80sのマグナムの美味しい要素を詰め込んだような作品で、英国の伝統、美麗なメロディ、キャッチーさとポップな風味が溶け合い、トニー・クラーキンのソングライティング力と、ボブの味わいを極めた歌唱が高いレベルで深化を遂げています。結果、英国チャート5位を始め、商業的に最も成功を収めました。
今回ピックアップした「Start Talking Love」は、キャッチーでポジティヴなムードが心地よい、自身の名曲「Just Like An Arrow」を彷彿とさせるメロディアスなハード・ロック・チューンです!
シングルとしてもリリースされただけあって、力強いフックを放つサビは素晴らしく、ボブがお馴染みの味わいあるボイスで歌うだけで、ひと味違うメロハーに仕上がるのはさすがですね。トニーやマグナムは、日本でもっと評価されるべきアーティストであると改めて思わされます。
ぜひ、一度聴いてみてください!