※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
ユーゴスラビアのハード・ロック ・ギタリスト、ミシャ・カルビン(MISHA CALVIN)が、1992年にリリースした1枚目のソロアルバム『Evolution』の1曲目に収録。
80年代当時にはまだ国として存在し、南東ヨーロッパのバルカン半島にあったユーゴスラビア出身のミシャ・カルビン。彼は音楽活動をする中で、80年代半ばにはロンドンへと拠点を移し、様々なアーティストとの関係を築いていきました。
その中には、元ブラック・サバスのシンガー、トニー・マーティンもいて、そのトニーやエレジーのシンガーだったイアン・パリーらをゲストに迎えて制作されたのが、本デビューアルバムでした。
日本では例のゼロコーポレーションからリリースされたので、よく覚えているメタルファンも多いでしょう。93年という時代に似合わぬ、オーセンティックで様式美テイストがほのかに香る、メロディアスなハード・ロックはいかにも日本人好みで、専門誌でも思いのほかに高い評価を受けてましたね。
実際のところ、楽曲にしてもミシャのギタープレイにしても、良質ではあるものの、いまだ発展途上といえるものでしたが、ユーゴスラビアという珍しさや、こうしたメロディアス系の新星に飢えていた時代ですから、期待も込めての評価だったんでしょう。
今回ピックアップした「Stranger」は、アルバムのオープニングに相応しいボトム低めな重厚感と湿り気を帯びたテイストの中で、美旋律が乱舞するメロディアス・ハード・ロック・チューンです!本人も推し曲として、ストリーミングではシングル扱いでもアップされていますね。
効果的なシンセの壮麗な響きのおかげで、必要以上に重々しくならずにメロハーらしさをしっかりと醸し出していますし、メロハーのみならず、様式美好きメタルファンの視点からも堪能できる逸品に仕上がっています。
トニーのボーカルはさすがの貫禄で、楽曲レベルを一段階上に持ち上げるのに貢献してますね~。肝心のミシャのギターワークですが、音像の線がやや細いものの、メロディを重視したフレージングには光るものがあり、アウトロのアコースティックギターでの余韻を残すアレンジも聴きごたえ十分でしょう。
ぜひ、一度聴いてみてください!