※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
カナダのメロディアス・ロック・バンド、 フローズン・ゴースト(FROZEN GHOST)が、1988年にリリースした2枚目のアルバム『Nice Place To Visit』の4曲目に収録。
今回の産業ロック括りも80sカナディアン・ロック勢からいってみましょう〜。オンタリオのトロントで1985年に結成されたフローズン・ゴーストは、元シェリフのアーノルド・ランニ(Vo、G、Key)ウルフ・ハッセル(B、Vo)の2人を中心とするバンドです。
シェリフは1979年から85年にかけて活動したカナディアンロッカーとして知られていますが、他のメンバーは産業ロック/メロハーファンに評価の高いエイリアスとして活動しました。ちなみにシェリフとエイリアスの作品に加え、フローズン・ゴーストもこの2枚目以外はストリーミング解禁されておらず、今後に期待したいところです。
さて、シェリフから分裂したフローズン・ゴーストはあくまで2人体制で主な楽器を担当、アーノルドが楽曲を手がけていますから、実質的にはバンドというよりデュオと称したほうが相応しいかもしれませんね。
1987年にカナダのWEA、アメリカではアトランティックから『Frozen Ghost』でデビュー。シングル「Should I See」がカナダで27位、全米でも69位と、いきなりスマッシュヒットを飛ばしました。MVはカナダのジュノー賞で最優秀ビデオにも輝き、同賞の年度で最も将来有望なグループにも選ばれました。ここでのギタリストは、ハネムーン・スウィートのデリー・グレハンですね。
余勢を駆って翌年には『Nice Place To Visit』をリリース。シングル「Round and Round」が本国で19位にチャートインし、アルバムは5万枚以上のセールスを記録しました。本作からはギタリストとしてボン・ジョヴィでお馴染みのフィルXがクレジットされています。
1992年には3枚目『Shake Your Spirit』をリリースし5人編成になりましたが、翌年には解散してしまいました。本国では成功を収めてきたものの、日本では日本盤すら未発売でしたね。
メインストリームの産業ロック系として一定の完成度を誇りましたけど、正直メロディのフックが全体に希薄で、ドラムが打ち込みでデジタル風味が強い点など、これといった決め手に欠けたのも事実。カナダのバンドという点でも日本で売り出すには厳しかったのかもしれません。
今回ピックアップした「Step By Step」は、軽快でポップなアレンジと優しいメロディラインが心地よい産業ロック・チューンです!フローズン・ゴーストの中でも比較的メロディのフックや起伏もあり、いかにも80sライクなテイストを十分に味わえるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!