※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2024年7月3日、ドイツのハード・ロック・バンド、キッシン・ダイナマイト(KISSIN’ DYNAMITE)の約2年ぶり8枚目のアルバム『Back With A Bang!』がリリースされました。
7月初頭にリリースされたアルバムですので、新作レビューにはちょっと遅すぎですけど(汗)、ぎりぎり7月中ということでいってみましょう~。
実は今回がすでに2008年のデビュー以来8枚目で、約2年に1枚のハイペースでアルバムを量産していることもあり、だいたい作風も変わらないのでレビューまではいいかなあ、くらいに正直思ってたんですが(笑)、本国ドイツのチャートで1位を獲得!というニュースをネット上で見たこともあり、ちゃんと通しで聴いてみました~。
ドイツのチャート、と一言でいっても我々日本人にとってはアメリカのビルボードあたりほど、正直ピンときませんよね。ちょっと調べてみると、、ドイツで一番権威のあるオフィシャルの音楽チャートは、Gifエンターテインメントチャートと呼ばれるものです。
これはBVMIと呼ばれるドイツの音楽産業協会の依頼で発表しているチャートで、様々なカテゴリーを含みつつ、アルバム、シングルTOP100等がありますね。このオフィシャル週間アルバムチャートの7月12日付けで、『Back With A Bang!』が堂々の1位に輝きました。前々作『Ecstasy』が7位、前作『Not the End of the Road』が2位と、惜しいところまできていたので、初の1位はバンドも相当に嬉しいようですね。
ちなみに、同週の3位がオルデン・ガーデン、5位がヴィジョン・オブ・アトランティスの新作がランクインしており、まあ日本の感覚でオリコンチャートにこういう系統のアーティストが普通に入ってるのは異常ですよね(笑)。最近の他の週を見てもアクセル・ルディ・ペルとかまでランクインしてますし、メタルへの市民権や浸透度が日本とはレべチなわけです。
ただし、『Back With A Bang!』は翌週のチャートで60位まで急降下しており、昔オリコンで1位になったイングヴェイが、翌週100圏外に消えた事例を思い起こさせますが(笑)、メタル系のチャートアクションは通常、初動が命ですからね。仕方ないでしょう。とはいえ、1位は1位ですから素直に快挙は称えたいと思います!
さて、肝心のアルバムの方ですが、基本路線は全く変わらず、古き良き80sのヘアメタル、ハードロックテイストを現代風にアップデートさせたもので、これまでのファンの期待に100%応えてくれるでしょう。
楽曲やパフォーマンス、サウンドプロダクションも含めた全体のクオリティも高く、さすがに1位を獲得するだけの価値あるアルバムなのは間違いないですね。10代でデビューしたメンバー達も30代に差し掛かり、若さゆえの未熟さや破天荒さは影を潜め、ソツなくすっかりこなれてきた印象を強く受けます。
いいバンドだけにあえて苦言を呈すると、そうした成長がともすれば予定調和というか優等生過ぎるというか、あまり意外性のないありがちなハード・ロックに繋がっているように思えるのも事実です。メロディアスにも破天荒にも極端に寄らない点も、ともすれば中途半端に聴こえてしまう感がしますね。
楽曲で言えば、前半から中盤は比較的良曲が続いていくんですが、後半に向けてメロディが弱まっていく点も気になりました。言ってもまだ30代そこそこの若さ、大きな成功を手に入れたわけですから、小さくまとまらずにハード・ロックの未来を切り拓く挑戦を続けてほしいですね!
今回はアルバムの5曲目に収録された「Queen Of The Night 」をピックアップしました!マイナ―調のアルバム中ではもっともメロディアスで強いフックラインを持った佳曲といえるでしょう。
それにしても11月に来日公演が行われますが、ドイツ1位のバンドとは思えない会場のサイズ感で、本人達がびっくりしそうですね。。
聴いてほしい度
78%
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