※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
アメリカのメロディアス・ハード・ロック ・バンド、ツアー・デ・フォース(TOUR DE FORCE)が、1995年にリリースした2枚目のアルバム『World on Fire』の2曲目に収録。
メロディ派暗黒の90年代ど真ん中に登場し、専門誌でも絶賛されていたことで強く記憶に残っているメロハーバンド、ツアー・デ・フォース。以前はストリーミングになかったように思ったんですが、ふとApple Musicで検索してみると出てきたので、比較的最近になって解禁されたかも?しれませんね。
38スペシャルのアルバムタイトルを思い浮かべてしまうツアー・デ・フォースは、80年代後期にニューヨークのシーンから登場しました。初音源として1988年に7曲入りのデモが確認できますが、その後、ミュージック・フォーネーションズ傘下のアクティヴ・レコーズと契約。セルフタイトルのデビュー作がリリースされたのは、すでに1993年になってからでした。
日本でもポニーキャニオンから1993年に日本盤がリリースされましたね。その音楽性は80sのHM/HRの色合いを残していたもの、メロハーに特化しきれておらず、今ひとつ焦点の定まっていない雑多な音楽性を有していました。
この同時期に、ニューヨークのシーンで活動した元マノウォーのロス・ザ・ボスを擁するバンドのヘイデイに、ツアー・デ・フォースのシンガーのチャーリー・ケイトが参加したこともあり、ツアー・デ・フォースはシンガー不在?もしくは解散か?と危惧されました。
結果的には2枚目のアルバムをドイツのロングアイランド・レコーズがリリース。日本でもFEMSから無事日本盤化されました。しかもCDの収録時間ぎりぎりの特大ボリューム全17曲!入りで、音楽性もデビュー作とは異なり、あくまでもメロディを重視した方向に特化しており、メロディ愛好家の歓迎を受けました。
今改めて聴き直すと、曲数が多すぎるだけに正直捨て曲の類も散見されますし、コネチカット州のスタジオでレコーディングされたサウンドプロダクションにも甘さが見られるのも事実。オルタナ・グランジの重い空気が漂う時代に80sライクなメロハーを発掘できた、砂漠の中にオアシスを発見できたような喜びが、より印象を良くしたんでしょうね。
日本盤ボーナスで1曲目に収められたマイケル・ボルトン作の「Tonight」も好きなんですが、それに続く今回ピックアップした「Back To You」は、時代に抗うように響き渡るスペーシーなポリシンセの響きに乗せて、抜けるように爽快なフィーリングを与えてくれる、キャッチーなメロディアス・ハード・ロック・チューンです!
アカペラの分厚いコーラスで始まる80sライクなアレンジといい、90年代ど真ん中にニューヨークでこの音を出していたツアー・デ・フォースは貴重な存在でしたね。ちなみに「Back To You」は88年のデモにすでに収録されていたので、より80sテイストを感じられるのかもしれませんね。
ぜひ、一度聴いてみてください!