※評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、ディオ(DIO) が、1994年にリリースした6枚目のアルバム『Strange Highways』の10曲目に収録。
90年代のモダンヘヴィネス化したDIOに対しては、ファンの間でも評価が分かれるところでしょう。ロニーが参加した、92年のブラック・サバス『Dehumanizer』を、違和感なく受け入れたなら、好意的に捉えるかも知れません。
筆者の場合は、ディオにはサバスのようなヘヴィネスを求めていませんでした。むしろ80年代のように、アップテンポかつ、ロニーの歌唱力をフルに発揮できるメロディックなチューンを核にすることを望んでいたので、時代に合わせたヘヴィ化の推進には、当時いささかショックを受けましたね。
そうした意味で、ディオ史上1、2を争うキビしーアルバムなんですが、今回ピックアップした「Here's to You」は、80年代を思わせる、アップテンポでキレキレのメタルチューンになっています!
何と言ってもロニーのヴォーカルが生き生きしてますし、ヴィニー・アピスのカチカチと忙しないドラミングも、「やっぱりディオはこれだよコレ!」と言いたくなるほどに最高ですね〜。
ヘヴィネス化の一翼を担ったトレイシー Gのギターも、こうした曲調の中でばっちりマッチしていて、リフなんかも格好いい。アルバム全体を聴いてしまうと萎えてましたが、もっと評価されるギタリストと思います。
80年代の名作群でも、アルバム全体の中に、それほどアップテンポの曲が多かったわけでないので、これが1曲目で、もう1、2曲テンポのいい楽曲があれば、かなりアルバムのイメージが変わっていたかも知れません。
ぜひ、一度聴いてみてください!