※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
カナダのAOR系シンガー、ジノ・ヴァネリ(GINO VANNELLI)が、1981年にリリースした7枚目アルバム『Nightwalker』の1曲目に収録。
秋の夜長ということで、久しぶりのAORモノです。ジノ・ヴァネリは、最近でこそ音楽性がジャズ寄りで、短髪のダンディな風貌になっていますが、70〜80年初期の頃は、彼自身が一つのジャンルと言えるほど、様々な要素を盛り込んだ音楽をクリエイトしていました。
中には、ロックやプログレの要素が含まれ、風貌もロン毛のカーリーヘアでしたから、メタル好きでも、どこかシンパシーを感じる?ことでしょう。スティーリー・ダンのように、ミュージシャンズ・ミュージシャン呼ばれるほど、音楽クリエイターとして非凡な能力を持ち、筆者も大人になってようやく、その魅力を理解できるようになりました。
特筆すべきはやはり、圧巻としか言いようがない歌唱力の高さでしょう。その表現ひとつひとつが、いちいち濃厚なんですよね。歌に圧倒的な説得力と深みがあり、聴くたびに新鮮な発見をもたらしてくれます。そういえば、ライヴでの、激しく個性的なダンスを見ていると、キャラの濃さで、あのフレディ・マーキュリーに通ずる部分を感じますね。
今回ピックアップした「Nightwalker」は、ジノ全盛期の作品で、オープニングを飾るナンバーです。ジャケットの写真のごとく、都会の雑踏を歩くジノの姿が浮かんできそうな、テンションコードを駆使した、抜群にセンスの良い曲調です。
ドラムは、メガデスでも叩いていた名手ヴィニー・カリウタで、彼の出世作と言えます。シンコペーションを多用した、手数バリバリのプレイがとにかくカッコいいですね〜。ジノは元々ドラマーだったため、ドラムパートへの拘りは人一倍で、どの作品でも聴きどころのひとつになっています。
最近ではストリーミングで、大半の作品が聴けるようになったのは嬉しい限り。作風も様々ですが、メタルファンでも新たな発見がきっとある音楽だと思います!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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