※評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、エクソダス(EXODUS)が、1992年にリリースした5枚目のアルバム『Force of Habit』の5曲目に収録。
以前楽曲をご紹介した『Impact Is Imminent』で、メジャーのキャピタルとの契約を獲得したエクソダス。
さぞ快進撃が続くと思いきや、メタリカのブラックアルバムでのブレイクや、パンテラ等の台頭もあり、時代はスピードからヘヴィネスへと転換していきました。
そして、エクソダスまでも、サウンドスタイルを急激に変えることを余儀なくされます。お馴染みのロゴマークもなくなった、アートな雰囲気のジャケットデザイン通り、嫌な予感は的中。スピードを意図的に抑えて、重低音が支配するスタイルの作風になってしまいました。
ローリング・ストーンズのカヴァー「Bitch」にチャレンジしたり、作品自体のクオリティが低いというわけではないものの、多すぎる全15曲が散漫な内容を現すかのようで、その迷走ぶりが伺えます。メジャー1作目でも全開だった、エクソダスらしいスピード感のあるスラッシュ・メタルが、いきなり影を潜めたのは、あまりに寂しい限りでした。
このアルバムの発売後、解散前となる93年の来日公演にも行きましたが、はつらつな印象の初来日とは打って変わって、バンドの状態を示すように、ライヴ自体もどこか煮え切らない内容だったのを記憶しています。2000年代に再結成後の弾けぶりを考えると、ホント、ウソみたいな低迷期でした。
今回ピックアップした「Fuel for the Fire」は、アルバムの中では比較的、従来のエクソダス色が強い楽曲です。ゲイリー・ホルトとリック・ヒューノルトのH-Teamによる、ザクザクのクランチリフも味わうことができますので、アルバムを聴き進める中で、ちょっとだけホッと することでしょう。
ぜひ、一度聴いてみてください!
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