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【新作レビュー】エクソダス(EXODUS)「Persona Non Grata」

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、エクソダス(EXODUS)が、2021年11月19日、約7年ぶり11枚目のニュー・アルバム『Persona Non Grata』をリリースしました。

 

この8月に、先行楽曲が早くも公開されており、すでに紹介しましたが、約3ヶ月後に、フルアルバムがストリーミングで一斉公開されました。

前作が10枚目という節目、メタリカのカーク・ハメットがゲスト参加、フロントマンにスティーヴ”ゼトロ”スーザ電撃復帰と、話題盛りだくさんでした。今回は御大ゲイリー・ホルトも、スレイヤーでの活動に区切りがついた後で、いよいよ、そうした派手な話題抜きに、本格的にエクソダスへとシフトした重要作になります。

 

何せ、コロナ禍で彼らの生命線と言えるライヴができない状況が続き、さらにはドラマーのトム・ハンティングが胃癌を患う、心配なニュースが飛び込み、バンドがどうなってしまうのか危惧していましたからね。こうやって無事に、新作が届けられたことを、まずは素直に喜びたいところです。

 

今作もお馴染みアンディ・スニープを起用し、トムの自宅スタジオで曲作り、レコーディングを進めたようです。じっくりリラックスして制作できる環境下のおかげか、とにかく全編を完走しての印象は、やりたいこと全部盛りの”濃厚濃密”なスラッシュの一言。音源であっても、決して軽くない疲労感に襲われること必至でしょう。

 

1曲目のタイトルチューンからして、7分30秒ですからね。しかも今までになく複雑に作り込まれたクランチリフといい、やはりコロナ禍で制作時間を費やせたことが、ヴォリューミーな中身に影響しているのは間違いありません。

 

他にも長尺の曲が比較的多いなかで、速さだけで押さずヘヴィなリフ主体の楽曲で変化をつけたり、はたまた、怪しげなアコースティックの小作品を導入したり。随所に変化を盛り込みつつも、全体の長尺、詰め込みまくり感は凄まじく、聴き手に集中力と体力を求める作品と言えるでしょうね。

 

個人的には、先行楽曲が3分程度の尺で、80年代のエクソダスを彷彿とさせる、軽やかなボトムの駆動力と、跳ねるようなリズムの、ある意味”キャッチー”なスラッシュに仕上がっていたのが、好印象だったんです。

 

それだけに全曲通すと、結局2000代年に入ってからの作品に顕著な、ややトゥーマッチ感が否めない楽曲、作風が大勢になってしまい、ちょっと残念な気がしたのも事実です

 

ミュージシャンとしてのアビリティが、80年代当時と比較して、桁違いに上がっていますから、仕方ないところですけど、もう少しコンパクトで、わかりやすい、シンガロングできるような楽曲の割合が多ければ良いのに、と正直思いました。

 

とはいえ、これだけのエネルギーを放出する高品質な作品を、未だ余裕で作り上げてくるんですから、大ベテラン、エクソダスの底力の凄さを、改めて誰もが実感することでしょう。

 

今回はアルバムから、先行楽曲の次に気に入った、R.E.M.F.」をピックアップしました!4分半に満たない激烈スラッシュ・チューンで、イントロのベイエリア・クランチ・リフと、跳ねまくりのリズム一発で、オールドファンには、もう何も言うことありません(笑)。

 

名作「Bonded by Blood」に収録されていても良さそうな、そんなオールドスクールスラッシュ・メタルの匂いが充満していて、ライヴでのモッシュピットが目に浮かびます。ゼトロの”Mother Fucker!”の狂気のシャウトも最強ですね!

 

聴いてほしい度

86

ピックアップ曲はこちら!

R.E.M.F.

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アルバムはこちら!

Persona Non Grata

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CDはこちら

ペルソナ・ノン・グラータ

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