※評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
日本のヘヴィ・メタル・バンド、 44マグナム(44MUGNUM)が、1987年にリリースした4枚目のアルバム『Love or Money』の3曲目に収録。
昨日、80sのジャパメタムーブメントにおける、フラットバッカーからE・Z・Oへの変化をご紹介しましたが、44マグナムによる突然の”脱ヘヴィメタル”も、驚きと落胆を覚えた出来事のひとつでしたね。
過激なルックスとサウンドで、ジャパメタのアイコン的な存在として、現象を巻き起こしてきたマグナムでしたから、洒落たスーツを見にまとい、16ビート主体のポップでダンサンブルなサウンドに変身した事実を、どう受け止めて良いのかわかりませんでした。ジミーのギターなんて、リフどころかクリーンなカッティングばかり目立ちますからね。
音楽雑誌でヒューズ・スロール好きを公言したり、それぞれのソロを収めた作品を発表したりと、音楽性を拡げたい予兆はあったものの、振り幅が大き過ぎてほぼ新しいバンドに生まれ変わってしまったことで、熱烈なファンも相当数離れたのではと想像します。
87年といえば、洋楽のメタルはバブルの真っ只中でしたけど、ジャパメタムーブメントは一段落して、BOOWYの登場によりジャパメタファンの多くが、そちら側に流れていった頃でもありました。”メタルはもう古い”と変化を遂げたマグナムは、そのBOOWYとも共演していますし、時代の流れを敏感にキャッチしていたのでしょう。
今改めて『Love or Money』を聴くと、あの44マグナムという先入観がなければ、打ち込みの世界に完全シフトした次作『Emotional Color』ほど悪くありません。ただ、ポールの歌唱がこうしたサウンドに、今一つマッチしていない気がしますし、サウンド的にも、ちょっと中途半端な印象があります。
今回ピックアップした「Jeanine」は、ちょっと切ないメロディが踊るロックチューン。フック強めのサビメロとコーラスが実にいいですね!比較的曲調がストレートですし、少しだけハードなギターテイストも感じられます。こうした曲がもうちょっと多めだったら、印象も変わったかも?しれませんね。
ぜひ、一度聴いてみてください!
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