※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!
日本のハード・コア / ヘヴィ・メタル・バンド、 ドゥーム(DOOM)が、1988年にリリースした、2枚目のフルアルバム『Complicated Mind』の1曲目に収録。
ドゥームは、ギター・ヴォーカルの藤田タカシと、ベースの諸田コウが関わっていた、神楽坂エクスプロージョンに端を発するバンドでした。カスバ、ユナイテッド、ジュラシック・ジェイド、Xら、当時、隆盛を始めた関東でのスラッシュ系バンド群のひとつとして捉えられていましたけど、そのサウンドの特異性は群を抜いていましたね。
スラッシュ的な速さや激しさを基盤としながらも、次第にハードコア、プログレ、ジャズを始めとしたアバンギャルドで変態なメタルを創り上げていき、聴くものを寄せ付けない、唯一無二の存在感を示すバンドへと成長していきました。
今回ピックアップした「Complicated Mind」は、その個性を端的に示す楽曲のひとつですね。藤田による不協和音的なコードリフと、諸田がフレットレスを駆使して繰り出す、テクニカル極まりないスラップベースによる変態フレーズが、変拍子の中で変幻自在に暴れまわります。ヴォイヴォドの「Killing Techeology」辺りを彷彿とさせる方向性ですね。
そのアートと呼べるほどの難解さ、斬新さゆえに、当時はシーンの中でも聴き手側の理解が及んでいたとは言い難かったのですが、後年になって、その独創的なサウンドが、海外を含め改めて高い評価を受けているのは、むしろ当然というべき流れなのでしょう。
99年に諸田が若くして亡くなってしまったのは、本当に惜しまれますが、今も活動するドゥームにもし彼がいたら、どんな音楽を創っていったのか、考えると興味は尽きないですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!