※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュメタルを紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、 アトロフィー(ATROPHY)が、1990年にリリースした2枚目のアルバム『Violent by Nature』の1曲目に収録。
80年代中期のスラッシュ・メタル・ムーブメントが本格的に勃発して以来、世界中からバンド雨後の筍の如く登場しましたね。最初は喜んでチェックしていたものの、似たようなバンドも多く、次第に飽和状態に陥ったのは否めません。
90年代初頭の頃には、またスラッシュ系か、、とうんざりするほどで、今考えると贅沢な悩みでした。そうした状況下で個々のバンドの可能性をじっくり評価する余裕も次第に無くなり。。時期が違えばもっと注目されたかもしれないバンドが、幾つもいたように思えます。
このアリゾナ出身のアトロフィーも、そんな”大勢に埋もれかけた”スラッシャーの1つでした。デビュー作では勢いあるサウンドを聴かせたものの、まだまだ荒削りで、いかにもB級の雰囲気を漂わせていました。ところが、2作目では演奏、楽曲、プロダクションなど、一気に整合性が増し、あらゆる面で順調な成長と期待を感じさせてくれましたね。
ところが、中心メンバーの一人が大学で医学を学ぶためにバンドを離脱。結局、アトロフィーは、わずか2枚で解散してしまいました。メガデスやテスタメントをはじめ、スラッシュの先人達の様々なエレメントを巧みに融合したサウンドは、シーンの中でさらなる飛躍に繋がる予感がしただけに、残念な知らせとなりました。
今回ピックアップした「Puppies and Friends」は、アルバムのオープニングを飾る激速系スラッシュ・チューンです!サビの部分のリズムが、ちょっと変則的な小技が効いた面白いアレンジですね〜。このクラスのバンドとしては、各メンバーの力量も申し分ないですし、ヴォーカルも吐き捨てタイプながら、メロは比較的追っており、とっつき易い方でしょう。
仮面を被った子供が印象に残る奇妙なジャケットですけど、モデルになったのがマックス・カヴァレラの養子であるリッチー・カヴァレラらしく、興味深いですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!