※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュメタルを紹介していきます。
イギリスのスラッシュ ・メタル・バンド、オンスロート(ONSLAUGHT)が、1989年にリリースした3枚目のアルバム『In Search Of Sanity』の4曲目に収録。
昨日はスティーヴ・グリメットの訃報に際し、追悼のコラムを書きましたが、スティーヴ関連でグリム・リーパー、ライオンズハートは取り上げたものの、オンスロートがまだでしたので、この機会にスラッシュ括りでご紹介しましょう〜。
隆盛するスラッシュ・メタル・ムーブメントの中で、英国産スラッシャーの第一人者として気を吐いていたオンスロートでしたが、その最中に個性的なヴォーカリストだったサイ・キーラーが脱退。後任に注目が集まる中で加入したのがスティーヴでした。
当時は”スティーヴ・グリメットがオンスロートに合うの??”と、正直違和感ありまくりでした。人並み以上にしっかり歌えるハイトーンが売りのスティーヴでしたから、狂気のハイトーンとワイルドで吐き捨てタイプの唱法だったサイに近づけるのか?と想像できなかったんですね。
ドキドキで聴いたオンスロートの『In Search Of Sanity』は、いい意味で期待を裏切られました。スラッシュとしての切れ味はしっかりと残しつつ、よりパワー・メタル、正統派メタル寄りに接近した雰囲気が漂う好作品に仕上がっていましたね。
その立役者は何と言ってもスティーヴに他ならないでしょう。なにせサイのスタイルに寄せることなく、自らのスタイルを堂々と誇示したストロングで伸びやかなハイトーンヴォイスを全編で展開。
メロディをしっかりと追って歌い上げ、クランチリフの中にメロディが躍動する新生オンスロートを爆誕させることに成功しました。クランチリフとハイトーンの組み合わせは、ベイエリアスラッシャーのフォビドゥンに近い印象がありますが、クリアなプロダクションも相待ってより軽快な印象を受けます。
今回ピックアップした「Lightning War」は、名曲として名高いタイトル曲と並ぶ、極上のスラッシュ・メタル・チューンです!リフの刻み具合やスラッシュ度と疾走感はこちらの方が高めな分、スティーヴのハイトーンとのギャップをより明確に楽しめるでしょう。メタリカを彷彿とさせるパートも多いですが、7分近くの長尺を起伏をつけながら、最後まで飽きずに聴かせる構成力はお見事ですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!