※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年3月24日、日本の女性メタルダンスユニット、BABYMETAL(ベビーメタル)の約3年5か月ぶり4枚目のアルバム『THE OTHER ONE』がリリースされました。
BABYMETALをこのブログで取り上げるのは意外にも初めてでした。国内のメタル系アーティストでは今や動向が最も注目されるBABYMETALですが、コロナ禍のライヴ活動封印を経て、ライヴ活動再開、そしてコンセプトアルバムを提げて帰還。そんな話題の新作がストリーミングで聴けるということで、ちょっと遅いですが(汗)レビューしてみたいと思います〜。
筆者自身は、取り立ててBABYMETALのファンではなく、動向を追いかけてきたわけでもありません。ただしライヴ体験だけは古く、2012年1月のSHOW-YAやアルディアスらと共演したイベントライヴで、黎明期のBABYMETALを偶然目撃しました。
まだメンバーも幼かったですし、応援しているファンも少なかったですね。数曲のパフォーマンスは、メタル風の楽曲で踊るアイドル、といった風情でイロモノ的な雰囲気は否めませんでした。
このアイドルユニットを一体どーやって売るんだろう?とその時は正直ネガティヴな感情を抱いたんですけど、様々な仕掛けであれよあれよという間にビッグネームに駆け上がる様子をまざまざと見せつけられ、自分の見る目のなさを痛感しましたね(笑)。
そんな日本だけでなく、海外も含めたシーンの頂点へと昇り詰めたBABYMETALの新章は、コンセプトアルバムであることが謳われています。といっても曲間がSEで繋がれているわけでもなく、全体が40分ほどのコンパクトな作品でもあり、サウンド面だけで捉えるとそうした事実はあまり感じられません。
サウンド面では、少なくともこれまでの延長戦上なのかな?と思いきや、先行数曲で呈示されたダークでシリアスな世界観が、アルバム全体を覆っており驚かされました。一聴してだけで、従来のファンの間でかなり賛否を呼びそうな作風だなあと感じましたね。
これまでBABYMETALの人気を支えるサウンド面の重要な要素であったであろう、疾走を伴うメタル曲やライヴでのお祭り騒ぎを誘発するおチャラけたナンバーは、ほぼ一掃された印象がします。
ドラムンベースなどの打ち込みが多用され、プログメタル的な曲やBPMの速い楽曲が存在するものの、ギターソロもほぼ排除され「メタル」色が明らかに薄まりましたからね。
言うなれば「親父ホイホイメタルとの決別」とでもいうんでしょうか(笑)。
では、筆者のような親父世代にとってつまらなくなったか?といえば、自分がファンでなく門外漢だからかもしれませんが、これはこれで十分楽しめましたね。むしろ、サウンド面だけにフォーカスすれば、これまでで最上レベルのクオリティに仕上がっていて、明らかに海外のマーケットで勝負出来そうな印象を受けました。
よりノーマルでシリアスなロックサウンドにシフトした分、SU-METALの歌唱の存在感が一気に増しているんですね。クセのないクリアで万人ウケしそうな天性のヴォイスの魅力が、ここにきて一気に開花したと言えるんではないでしょうか。
大人になったSU-METALのシンガーとしての素質を改めて呈示する、それが新章の狙いであるならば、一定の成功と言えるでしょうね。むしろ、よりヴォーカルをフィーチャーした作品を聴いてみたいと思ってしまいました。
今回は、そんなSU-METALの歌声が最も堪能できる楽曲のひとつ「Light and Darkness」をピックアップしました!もはや黙って聴いてるとBABYMETALとは思えず、J-POPかアニソンみたいですけど、個人的にはそれがむしろイイ具合ですね〜。
MOMOMETALの加入で再び3人体制に戻るようですし、ライヴではこれまで通りのBABYMETALワールドが展開されているようですから、本作が海外マーケットでどの程度の反響を受けるのか、まずは楽しみに待ちたいと思います!
聴いてほしい度
80%
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