※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年4月21日、日本のヘヴィ・メタル・バンド、アンセム(ANTHEM)の約6年ぶり17枚目のアルバム『Crimson&Jet Black』がリリースされました。
浜田麻里の新作が話題沸騰中ですけど、今度はアンセムですか~。メタリカにオーヴァーキル、浜田麻里にアンセムと、短期間でリリースされた洋邦HM/HR系の新作を並べると、今が2023年であることを忘れてしまいそうですね(笑)。
ベテラン健在なのは嬉しいところですが、それぞれがいかにも”らしい”カラーの作品を送り出してきたのには、還暦越えがもはや当たり前になってきたアーティストの年齢を考えると、ホント頭が下がる思いです。
アンセムにしても、質実剛健!偉大なるマンネリズム(ほめてます)で全編を塗りこめた、「アンセムによるアンセムのファンのためのアンセムらしいアルバム(ややこしいですかね笑)」を、今回も当然のようにきっちりと作り上げてきました。
森川之雄(Vo)、清水昭男(G)、柴田直人(B)、田丸勇(Ds)というラインナップもすっかり安定してきて、好みや思い入れは別にしても、歴代でトップクラスなのは間違いないですよね。
先行曲「Snake Eyes」を聴いた時点で想定できましたけど、どこを切ってもカッチカチのアンセムワールド、柴田直人ワールド全開で、バンドが目指す最高傑作かどうかはともかく、ファンならずとも安心安全に聴けるど真ん中のヘヴィ・メタル作品といえます。
例えば、挑戦的なアルバムを生み出した浜田麻里とは違う、こうした保守的な普遍性をどう捉えるのかでしょう。ここまでくるとアンセムの音楽性が好きか嫌いかが評価の全てなんでしょうし、意外性は皆無なのでたとえクオリティが高くとも、新規や若いファン層獲得を期待できる音楽性ではないですしね。
今回の新機軸でいえば前作のカヴァー集に続き、全編英語歌唱になっています。う~んなんでしょう、ワールドクラスの演奏なのはわかるんですけど、個人的にアンセムは日本語の方が絶対にしっくりくるんですよね~。アンセムのメタルには、ジャパメタならではの隠しきれないワビサビが滲んでいるからこそでしょう。
海外マーケットも視野に入れているんでしょうか、海外のフェスに近年出た映像なんか見ても、明らかに音源では劣るバンドの方が受けるんですよね。80年代も海外進出は叶わなかったわけですが、前述したような日本人感覚の部分が、要因としてあるのかもしれません。
今回はアルバムのラスト、11曲目に収められた「DANGER FLIGHT」をピックアップしました!ドライヴするテンポ感が心地よく、哀愁を漂わせたキャッチーとさえいえるメロディが魅力的な良曲ですね。こうした楽曲でもきっちり重厚感のあるメタルに仕上げているのはさすがです。
それにしても、清水のギターはホント巧いなあ~。正確無比、ツボを得まくったフレージング連発で、もっと高い評価を受けてほしい彼こそ、ワールドクラスのギタリストだと改めて思います!
聴いてほしい度
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