※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・ギタリスト、トミー・ボーリン(Tommy Bolin)が、1975年にリリースした1枚目のソロアルバム『 Teaser』の3曲目に収録。
「悲劇のギタリスト」といえば、ランディ・ローズ、そしてこのトミー・ボーリンをまずは想起しますね。死因こそ全く違えど、ギターヒーロー然とした恵まれたルックスと卓越したギターテクニック、25歳という若さでこの世を去った点など、いやが応にも共通点を感じてしまいます。
筆者はトミー生前の活躍時には、ぎりぎりリアルタイムで間に合わなかったんですが、絶対的な人気を誇ったリッチー・ブラックモアの後任としてディープ・パープルに加入。来日公演では薬物問題などが災いし、まともにプレイできなかったことで、必要以上に叩かれてしまったように見えます。
今でこそ、リッチー以外のギタリストがディープ・パープルで弾いていることに違和感を感じませんが、70年代半ばのタイミングでパープルに参加してしまったことが、トミーのギタリストとしての評価を貶めたのなら残念なことです。
何せ17歳の時にゼファーでプロデビューして以来、ビリー・コブハムのアルバムでの名演、ジェイムズ・ギャングでの活動と、着実に名ギタリストとしてのキャリアを積み重ねていましたからね。
そんなトミーがパープルでの参加作『Come Taste the Band』と同時にリリースしたのが本ソロ作でした。改めてクレジット見ると、豪華アーティストがこぞってバックを務めているのに驚かされます。
今回ピックアップした「Dreamer」は、トミーの朴訥としたヴォーカルとエモーショナルなギタープレイが光る、じんわり染み入るハードな名ロッカバラード・チューンです!
メンツで凄いのがデヴィッド・フォスター(Piano)、ジェフ・ポーカロ(Ds)でしょう。2人は他曲にも参加してますが、AOR人脈は興味深いですし、流石に珠玉のプレイを聴かせてくれます。さらに権利問題でクレジットされてないものよ、、ラストパートを歌唱しているグレン・ヒューズの歌唱ぶりも強烈ですね!
他曲にはフィル・コリンズ、ヤン・ハマー、マイケル・ウォルデンなどの名前も散見されますし、内容の良さと70sロックの資料的な価値からも外せない1枚と言えるでしょう。トミー関連の音源はまた別の機会に取り上げて見たいと思います!
ぜひ、一度聴いてみてください!