※80sメタル好きの暗黒期、90年代の良心的楽曲を紹介していきます!
アメリカのハード・ロック ・バンド、エクストリーム(EXTREME)が、1992年にリリースした3枚目のアルバム『 III Sides to Every Story』の1曲目に収録。
2枚目までで十分かと思ったんですけど(笑)、もう一声、最新作『SIX』の発売にちなんで、3枚目の楽曲も取り上げてみましょう~。『Pornograffitti』という圧倒的なアルバムを作った次作ですから、いやがおうにも注目されましたね。
無難に『Pornograffitti』の二番煎じ的なアルバムを作るのが定石で実際に作れたんでしょうが、エクストリームはより自身のルーツへの回帰と、実験的な試みを仕掛けてきました。時代はオルタナ・グランジへとシフトしていましたので、そのあたりも影響したかもしれません。
CDの収録時間すれすれを使い切り、楽曲ごとに大きく3つのパートに分けた3部作の構成には驚かされました。これまでのファンクメタルを継承した1部、クイーンやビートルズの影響を感じさせ、分厚いコーラスを伴ったメランコリックなメロディが染み渡る2部、オーケストラまで導入した3部作の組曲的な3部と、エクストリームがなし得るクリエイティヴな感性と能力をフルに発揮した力作に仕上がりました。
長い作品ですし、緊張感を持続させて最後まで聴くのは大変なので、それぞれの部ごとに気分によって堪能するのがよいかもしれません。パートや楽曲によってはやや消化不良で散漫な出来も見受けられるかもですが、ヒット作の次にこうした野心的でアーティスティックな作品を投入してきたところに、エクストリームの意地を感じましたね。
ファンクメタル路線を極めた名演「Cupid's Dead」など、振り幅の大きいユニークな楽曲が多いですが、今回ピックアップした「Warheads」は、オープニングに相応しくエクストリーム史上最速レベルで突っ走る豪快なハード・ロック・チューンです!
正統派メタル好きとしては、エクストリームでここまでストレートかつメタリックなリフを刻んでくれる曲は、貴重な存在でしょう。ゲイリーもいつになくパワフルな歌唱ですし、ヌーノの正確無比に弾きまくる反復フレーズがなんとも気持ちいいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!