※誰が聴いてもヘヴィ・メタル!な楽曲を紹介していきます!
フィンランドのヘヴィ・メタル・バンド、ケンジナー(KENZINER)が、1999年にリリースした2枚目のアルバム『The Prophecies』の1曲目に収録。
日本人の名前「ケンジ」さんを連想してしまいがち(笑)な、ちょっと変わったバンド名のケンジナーですけど、2000年前後のメロスピ、メロパワブームのちょい前、1997年に結成されました。
元々はもう少し遡った94年に中心人物のギタリスト、ヤーノ・ケスキネンが、デヴィッド・T・チャスティンによるアメリカのリヴァイアサンレコーズにデモを送ったことが始まりでした。デモを気に入ったデヴィッドは契約し、プロデュースも行ってケンジナーとしてデビューさせることにしました。
98年のデビュー作は日本盤がテイチクからリリースされ、メロディックなメタルに飢えたマニアに支持を受けます。そして翌年、選任のキーボード奏者を加え、スケールアップした内容で今度はビクターからリリースされたのが本作でした。
このキーボードがのちにソナタ・アークティカで活躍するミッコ・ハルキンでしたね~。ちなみにボーカルはステファン・フレドリックが2枚とも歌っていますが、ガスG率いるファイアーウインドのデビュー作で歌っている人物です。
同じリヴァイアサン絡みの人選ですけど、ここでも特徴ある野太く力強いボーカルを披露し、とかく線が細くなりがちなネオクラシカルな要素のあるメタルを、パワーメタル的なニュアンスに押し上げています。
今回ピックアップしたオープニングを飾る「Live Forever」は、ヤーノとミッコのテクニカルなギターとキーボードが絡み合いながら終始疾走し続ける、ネオクラシカル風味を醸し出す、メロディック・ヘヴィ・メタル・チューンです!
美旋律を重視した曲作りにせよ、技量の高さにせよ、十分に及第点を与えられるんですけど、2000年代以降のメロスピ、メロパワ勢が奏でた高いレベルに比べると、ガチガチにまとまっているとはいえません。
それでも、個人的にはケンジナーのように少々緩くスキがあるぐらいのほうが、人力の魅力があって、むしろ聴きやすいですね~。日本におけるメロスピ、メロパワブームの前夜を飾ったバンドとして、ストリーミングで味わい直したいものです!
なお、本作は現時点でApple Musicのみで、Spotifyではデビュー作など数作のみアップされています。
ぜひ、一度聴いてみてください!