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【新作レビュー】ドッケン(DOKKEN)『Heven Comes Down』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2023年10月27日、アメリカのハード・ロック・バンド、ドッケン(DOKKENの約11年ぶり 枚目のアルバム『Heven Comes Downがリリースされました。

 

ド、ドッケンのニューアルバム??しかも全曲書下ろしのスタジオ作品だとお~??正直、最初にニュースで知った時に頭がクラクラするというか、ウソでしょ?という感想のほうが大きかったですね。

 

というのも、近年(というか、かなり前からですけど)のドン・ドッケンの声の状態は、ほとんどオリジナルのピッチが出ていませんでしたからね。まったく歌えていないにも程がある残酷なライヴ映像を観て、頑張ってステージに立ち続けてくれて嬉しい!という感想は出てこず(スミマセン、、)、患う病も心配ですし、もうこれ以上、過去の栄光を汚さないで~、という気持ちばかり沸き上がったのが事実でした。

 

そんな状況の中で、まさか新作をレコーディングしてしまうとは、無謀にも程があるでしょ、、とネガティヴな感情しか浮かんできませんでした。ドッケンが好きだからこそ、どこかで勇気を持って止めてほしいとまで思わずにはいられませんでした。とうとうフロンティアーズですらパスしたっぽいですしね。

 

それでも、80年代当時から刷り込まれてきたお馴染みのバンドロゴマークを見ると、ついつい、ちょっとだけ聴いてみるか、とストリーミング上で再生ボタンを押してしまうのは悲しいサガで(笑)。怖いもの聴きたさもあり、全曲聴いてみました~。

 

ちなみに、今作のメンバーはドンに加え、ジョン・レヴィン(G)、クリス・マカヴィル(B)、BJザンパ(Ds)となっています。

 

結論から言うと、このレコーディング技術は凄い!

 

ドンの歌声は多少ザラついていますけど、ライヴで感じたような失望感はそれほどないほどに、実に巧妙にボーカル処理されています。メロディも今の歌唱でこなせるギリギリの線を突いており、流石に抑揚はほとんどないものの、意外なほどにさほど気になりません。

 

前半にいかにもドッケンらしい(というかむしろバンド、ドン・ドッケンぽい?)楽曲が続くのも好印象な所以でしょう。但し、次第に捨て曲というか、ダラダラと続く大味で単調なメロディの曲が散見され始めるので、気に入ったものをピンポイントでリピするのも良いでしょうね。

 

ドンをサポートするリズム隊も的確かつパワフルな仕事ぶりでグッドですが、何といっても長年の相棒、ジョン・レヴィンのシュレッドギターの凄まじいこと!

 

他の有名バンドでも十分に通用しそうなテクとルックスの持ち主なのにドンの相方として支え続け、ジョージ・リンチをトレースしたような、音飛びしまくりのトリッキーなフレージングを連発!刺激的な音像で曲中に変化を生み出し、歌メロの単調さを補う役割を大きく果たしています。思いの外に最後まで聴けたのは、ジョンの貢献度がかなり大きいでしょう。

 

今回はアルバム1曲目「Fugitive」をピックアップしました!タイトルが一緒ですけど、勿論アースシェイカーのあの曲じゃありません(笑)。どこか哀感を滲ませたメロディとコード展開、切れ味の良いエッジのギターとタイトなリズムが、ドッケンらしい世界観を2023年に再現しています!

 

聴いてほしい度

70

Fugitive

Fugitive

  • ドッケン
  • メタル
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

 

アルバムはこちら!