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【新作レビュー】ミック・マーズ(Mick Mars)『The Other Side of Mars』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2024年2月23日、アメリカのハード・ロック・ギタリスト、ミック・マーズ(Mick Mars)の1枚目のソロアルバム『The Other Side of Mars』がリリースされました。

 

昨日は元キッスのエース・フレーリーの最新ソロ作をご紹介しましたが、奇しくも同じように大物バンドを離れた元ギタリストのアルバムが、同日にもう1枚登場しましたね。こちらは言わずと知れたモトリー・クルーと袂を分かち、その動向が注目されたミックによる、長きキャリア初のソロ作となります。

 

モトリーとは残念ながら近年関係が悪化して、両者がっぷり四つの泥沼状態に陥ってしまったことは記憶に新しいところです。そんな中で、モトリーが行った昨年11月の来日公演は、ミック抜きでも十分に盛り上がりを見せただけに、個人的にはミックあってのモトリーという思いもあって、ここでガツンと健在ぶりを見せつけるアルバムをかましてほしい!と密かに期待してました。

 

ミックのもとに集まった今回のレコーディングメンバーは、ジェイコブ・バントン(Vo)、ブリオン・ガンボラ(Vo)、ウインガーのポール・テイラー(Key)、クリス・コリアー(B)、コーンのレイ・ルジアー(Ds)という布陣。プロデュースはモトリーのデビュー作以来、ミックとの付き合いになる名手マイケル・ワグナーが担当しています。

 

ざっと全曲を通して聴いた印象は、ひたすらダーク&ヘヴィ。流石にメジャー感たっぷりのビッグな鳴りでミックスされた良質なサウンドプロダクションの中で、重々しく陰影のある世界観が終始繰り広げられていきます。

 

ミック自身が「モトリーサイド」と「マーズサイド」という表現をしている通り、モトリーの方向性とは異とする、ミック本人が心からやりたいことを200%注入した結果なんでしょう。

 

ミックのトレードマークと言える強烈な歪みのギターリフが終始フィーチャーされていますが、あくまでもボーカルありきのバンドサウンドで構成されています。ラストを飾る「LA Noir」だけが若干ブルージーなシャッフル調のギターインストになっています。

 

正直なところ、モトリー風の快活なハード・ロックンロールを無意識に期待していたこともあり、どんよりした世界観に戸惑ったもの事実です。初聴はかなり厳しいなあ〜なんて思ったんですけど、もう一度リピしていくと、ゴシック調やバラードなどを始め、グルーヴやヘヴィネスで気づきが遅れた多彩なメロディが内包されている点が見えてきて、おそらくスルメ型によくなるアルバムでしょう。何度かシチュエーションも変えて、リピして見るのもいいかもしれませんね。

 

今回はひとまずMVも制作された6曲目の「Right Side of Wrong」をピックアップしました!重々しいムードに支配され、MVでもそうした映像表現がなされていますが、サビのメロディはフックも十分なメロディアスさで、最もとっつきやすい1曲と言えるでしょうね。

 

海外でのリリース元はミック自身のレーベルの1313 LLCですが、日本でのフィジカルはユニバーサルからのリリースがなく、輸入盤業者からのリリースとは。。なんちゃって日本盤なら、ストリーミングで十分でしょう。

 

聴いてほしい度

70

Right Side of Wrong

Right Side of Wrong

  • Mick Mars
  • ハードロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバムはこちら!

The Other Side of Mars

The Other Side of Mars

  • Mick Mars
  • ハードロック
  • ¥1681