※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
アメリカのメロディアス・ハード・ロック ・バンド、ファントムズ・オペラ(PHANTOM'S OPERA)が、1995年にリリースした1枚目のアルバム『Phantom's Opera』の1曲目に収録。
ファントムズ・オペラはニュージャージー出身で、その歴史を遡って紐解くと、ニュージャージーらしい有名アーティストの名前も出てきます。中心人物のジャック・ヤング(Key)がファントムズ・オペラの前身バンドで活動を始めたのが13歳のころでした、
この時のメンバーにいたのが、のちにボン・ジョヴィで活躍するアレック・ジョン・サッチ(B)とティコ・トーレス(Ds)だったんですね。加えてリッチー・サンボラとメッセージで活動していたディーン・ファザーノも、このバンドのシンガーだったということで、「ニュージャージー」「ボン・ジョヴィ」というキーワードと密接に繋がっているのが興味深いところです。
ファントムズ・オペラに直接繋がる歴史では、1989年にコリー・ブライス(Vo)がニュージャージーのメタルバンド、GEMINIにジャックを誘ったことで、そこに加わった中の一人がシンフォニー・エックスのマイケル・ロメオ(G)だったんですね。
かくして5人編成となり、活動を開始してレコーディングされ、メロハーマニア御用達、今はなきドイツの名門ロングアイランドレコーズと契約。日本ではテイチクからセルフタイトルを冠されてリリースしたのが本デビュー作でした。
90年代の半ばに、ここまで本格的なシアトリカルで叙情派のメロハーを聴けるとは思わず、当時は愛聴しましたね〜。シンセの響きに彩られ、楽曲はどれも哀愁あるメロディに溢れていて、日本人好みと言えるもの。どこかボン・ジョヴィっぽさが感じられるのは、ニュージャージーのシーン発ゆえか、興味深いところですね。
とりわけシンガーのコリーの聴きようによってはヴィンス・ニールだったり、ジョン・ボン・ジョヴィだったりする、独特の甘い声質と歌唱は印象に残るでしょう。マイケルはまだ強烈なシュレッド前夜という感じですけど、ネオクラシカルなフレーズも加味して、バンドの音楽性に深みを与えていました。
良い曲が多いですが、今回ピックアップしたオープニングを飾る「Lie Laura」は、シアトリカルで叙情的なファントムズ・オペラらしさを端的に体現したメロディアス・ハード・ロック・チューンです!強いフックを伴い転調するサビもハッとさせてくれます。
マイケル脱退後の2、3枚目もメロディ愛好家には必聴作ですけど、よりクイーンの影響下にある音楽性が強まっていて、シンプルにメロハーとしてバランスが最も良いのは本作でしょう。3作とも以前はストリーミングで発見できませんでしたが、最近解禁されたので比較してほしいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!