※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!
日本のヘヴィ・メタル・バンド、 ダムゼル(DAMZELL)が、1989年にリリースした1枚目のアルバム『Ready to Attack』の3曲目に収録。
前回のジャパメタ括りで、九州・福岡のガールズメタルのブライディアをご紹介しましたが、このダムゼルは80年代から90年代に、同じく福岡発で活動したジャパメタバンドですね。
80sのジャパメタブームは周知の通り、とりわけ関西メタルから有望なバンドが次々に登場、それに対抗するように関東のシーンも盛り上がりを見せ、さらには中部・名古屋からも有望なバンドが続々登場し、、とよく知られるバンドの大半はこの3地域から登場した印象があります。
一方、福岡や北九州と言えば、出身の著名アーティストをみると、ビートロック系のいわゆるメンタイロックやパンクロック辺りのイメージが強く、全国区で知られるジャパメタバンドは輩出してきませんでした。
ですが、実際には決して「不毛の地」ではなく、関西や関東のシーンでも通用するレベルのメタルバンドが数は少なくとも存在しますし、このダムゼルもそうした中のひとつ。近年当時の音源がCD発売されたことで再評価されたわけですね。
ダムゼルの結成は1986年で当初4人編成で活動しており、のちにツインギターの5人編成になっています。その音楽性は正統派のメタルを身上とし、個性的なハイトーンで絶唱するシンガー、金堀 "鎌乱" 公彦と、メロディックなフレーズを連発してアクセントを加えるギタリスト、松田 敏彦を特徴としています。タイミング的にジャパメタムーブメントにも触発されたんでしょう。
デビュー作は90年代手前のリリースですが、時代を考えると少しトレンドから遅れた80sのジャパメタ臭が強いですね。やはり福岡出身ということで、関東、関西のシーンの流れとのタイムラグが影響しているのかもしれません。
1987年にデモの『SHOCK OF THE GUILLOTINE』を完成させ、2年後に本デビュー作をリリースしました。今回ピックアップした「Prologue」はそこからのセレクトで、パワフルなリズムに、ネオクラシカル一歩手前の扇情的でメロディックなギターが絶妙に絡み合うヘヴィ・メタル・チューンです!
結構ヘヴィな方向性の楽曲も多いアルバム中で、もっともメロディ重視で80sのジャパメタ風味を味わえるでしょう。正直プロダクションもチープで、演奏やアレンジもまだまだ改善点があるレベルですけど、磨けば光る可能性を感じさせますね。
1992年には2枚目の『WAR SONGS』をリリースしましたが、前述のデモも含めストリーミングで聴けますので、資料的価値も含めて黎明期の「めんたいメタル」を味わってほしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!