※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
イギリスのプログレッシヴ・ロック・プロジェクト、 エディ・ジョブソン / ズィンク(Eddie Jobson / ZINC)が、1983年にリリースした1枚目のアルバム『The Green Album』の7曲目に収録。
1955年にカウンティダラムのビリンガムで生まれたキーボード/ヴァイオリン奏者のエディ・ジョブソン。1972年のカーブド・エアを発端に、ロキシー・ミュージック、フランク・ザッパ・アンド・マザーズと名バンドを渡り歩き、プログレッシヴ・ロックのスーパーグループであるUKに参加。
数々の活動を通じた類稀なる才能とブロンドヘアの甘いルックスから、英国プログレシーンの若き貴公子の名をほしいままにしてきました。そんなエディがUKの解散後、ジェスロ・タルでの活動を経て創り上げたのが、初となるソロアルバムでした。
名義には「ズィンク」が付加されており、純粋なソロ名義ではなく、エディを中心としたグループ、プロジェクト扱いになっていますね。このズィンクのメンツは有名ミュージシャンではなく、エディが数百人から選りすぐった無名のミュージシャンを起用しており、彼のこのアルバムにかける意気込みが伺えます。
この作品がリリースされた80年代前半といえば、エイジアやイエスと言ったプログレの巨人たちがポップ化し、商業的な成功を収めた時期でしたよね。エディもここではソロといえどバンド形態、しかも自らがボーカルを務めた歌モノを標榜。シングルカット曲までリリースしましたから、ある意味商業的にも勝負をかけた1枚だったと言えるでしょう。
それでも、決して安易なポップ・ミュージックにはなり過ぎず、先鋭的なエレクトリックなテイストやアレンジを果敢に導入。クリエイターとしてのエディの才覚を存分に発揮させたプログレッシヴ・ロック作品にまとめ上げたのは流石ですね。ある意味、80年代後半に登場した、ネオプログレ勢の走りのひとつといえるかもしれません。
今回ピックアップした「Turn It Over」は、シングルとしてもリリースされた、アルバム中でも最もポップでメロディアスな色合いの強い、プログレッシヴ・ロック・チューンです!
エディの荘厳なシンセやバイオリンソロは勿論光っていますが、ちょっと頼りないボーカルもなかなかの聴きどころ。歌メロは口づさめるほどにキャッチーで、エディの声質が絶妙にマッチしていますね〜。
当時MVも放映されましたし、ラジオでもかかっていたので気に入ってLPを買ったら、限定のグリーンヴァイナルでした。後年手放してしまったんですが、そこそこプレミアになったようで、持っとけばよかったかも(笑)
ぜひ一度、聴いてみてください!