評価が今イチなアルバムの中に眠る、隠れた佳曲をご紹介していきます。
ジャーマン・スラッシュ・メタル・バンド、デストラクション(DESTRUCTION)が1990年にリリースした4枚目のアルバム『Cracked Brain』の6曲目に収録。
トリオ編成だったデストラクションが、ツインギター体制に強化して、名作『Release from Agony』をせっかく創りだしたのに、新体制のギターハリーとシュミーヤがぶつかって、シュミーヤが脱退してしまう、というのは予想外の展開でした。
デストラクションは、今となっては考えられないですが、マイクと並ぶバンドの核であるシュミーヤ抜きで存続を断行。バンドロゴもそのままに、ポルターガイストのヴォーカルを迎えて、この『Cracked Brain』をリリースしました。
改めて聴くと、スラッシュ・メタル作品としてのレベルが決して低いわけではないですね。ただ、シュミーヤのあの狂気のヴォーカルと、マイクのヒリヒリとしたリフが織りなす緊張感こそが、デストラクションの個性だったので、その片方が欠けた時点で、あまりにも普通すぎるスラッシュバンドに成り下がってしまいました。
それは方向性に、どこか中途半端な印象があった、シュミーヤ率いるヘッドハンターにも、同じことが言えるでしょう。デストラクションのフロントマンでないシュミーヤなんて、もはや想像不可能ですよね〜。
一番有名なアルバムのタイトル曲もいいんですが、今回ピックアップした「Die a Day Before You're Born」は、ストレートに激走していくスラッシュチューン。ベイエリアっぽさも感じさせつつも、マイクらしいひねりの効いたリフが、やはり個性を放っています。シュミーヤの声を脳内補完しながら、楽しむのがいいかもしれません!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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