【楽曲紹介】リリアン・アクス（LILLIAN AXE）「Ghost of Winter」

※これぞ80ｓ！のイメージなヘア／グラム／LAメタル系を紹介していきます。

アメリカのハード・ロック・バンド、リリアン・アクス（LILLIAN AXE）が、1989年にリリースした2枚目のアルバム『Love +War』の6曲目に収録。

88年のデビューと、80sメタル駆け込み組の代表的バンドのひとつとして名前が挙がるリリアン・アクスですが、何の変哲も無い典型的なヘア・メタル的風貌とは裏腹に、他とは一味違う個性を持ったバンドでしたね。

デビュー時は王道のヘア・メタル系のサウンドをベースに、若干メロディアス度高めかな？程度の味付けだったのが、作を追うごとにそのメロディやアレンジの扇情度は増していき、3枚目の『Poetic Justice』でピークに達します。もはやメロディックという言葉では足りず、メランコリック、ドラマティックといった表現がぴったりくるような音を創り上げていきました。

実際日本のマーケットでは、3枚目が好セールスを上げており、最高傑作にあげるファンが多いでしょう。ですが、個人的には、ラットのロビン・クロスビーがプロデュースという話題性に相応しい、メジャー感溢れるこの『Love +War』がベストですね〜。3枚目は、現時点でストリーミング化されていないので、そうした観点ではマイナスポイントです（笑）。

それとサウンドとは関係ない部分ですけど、３枚目のジャケが見ての通りあまりに酷すぎて（汗）、内容を下げ過ぎているレベルで、最初見た時怒りすら感じました（笑）。一方、２作目のジャケットの美しさ（というかお姉さんが美しいんですが（汗））は、80sメタル系でも５指に入るんじゃないでしょうか〜。

今回ピックアップした「Ghost of Winter」は、リリアン・アクスの曲創りの妙を存分に味わえるドラマティックな佳曲です！バラード調のアルペジオから始まり、ランコリックなメロディと泣きのギターを惜しげも無く散りばめながら、次第に盛り上がっていく展開は、凡百のヘア・メタル・バンドには、絶対書けないハイセンスな感覚に満ち溢れていますね〜。

音楽性の高さとは裏腹に、世界的にセールスを考えると恵まれなかったバンドですので、改めて残された作品をじっくり味わっていきたいものです！

ぜひ、一度聴いてみてください！