※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新曲をご紹介します!
アメリカのロック・バンド、ジャーニー(JOURNEY)が、2021年6月24日に音楽ストリーミングサービス、配信限定で新曲「The Way We Used to Be」を公開しました。
そしてオリジナルメンバーは、ニール・ショーンだけが残った‥‥。最新ラインナップでのジャーニーが動き出しました。ロス・ヴァロリー(B)、スティーヴ・スミス(Ds)とバンドの商標権などを巡り、残念な騒動になっていたのが、ようやく収束したようです。
現ラインナップは、ニール・ショーン(G)、ジョナサン・ケイン(Key)、アーネル・ピネダ(Vo)に加え、86年のアルバム『Raised On Radio』でサポートしていたランディ・ジャクソン(B)、名手ナラダ・マイケル・ウォルデン(Ds)、さらにジェイソン・デルラッカ(Key)が参加しています。
バンドは、コロナ禍の時間を有効に使って、曲作りとアルバム制作に取り掛かっていたようです。アーネルは故郷のフィリピン・マニラで、他のメンバーはアメリカ各地に分かれて、Zoomなどを通じたリモート環境を駆使して作業が行われました。
曲作りは順調に進み、25曲以上の楽曲ストックがあり、その中から10曲から1曲程度が、アルバム用に選ばれるようです。今回の新曲「The Way We Used to Be」は、その挨拶代わりに発表されたシングルで、2011年のアルバム『Escape』以来の新音源になります。
"昔のやり方に戻ろう "を意味するタイトルからわかるように、コロナ禍以前の日常に戻っていこう!という、バンドの決意を感じさせるメッセージを打ち出していますね。
今回音源と同時に、全編アニメーションによるミュージックビデオも、同時に発表されています。ネタバレですけど、、、コロナ禍で離れ離れになったカップルが、パンデミックの終息とともに再会し、ジャーニーのライヴを2人で楽しむ、というストーリー仕立てですね。
独特のタッチのアニメーションは、アメリカのコンフィデンタル・クリエイティヴという会社が制作を行いましたが、登場するメンバーのタッチとかが、日本人の感性で見ると微妙過ぎて(汗)、わかりやすいストーリーはともかく、何とも評価しずらい出来かもしれません。
さて、肝心のサウンドですけど、「Don't Stop Believin」風味の、ジョナサンの鍵盤に導かれるのもつかの間、どちらかといえば70年代後期のジャーニーに、レイドバックしたような方向性にシフトしています。ストリーミングのアートワークも、ゴールデンブリッジをバックに、79年の『Evolution』っぽいイラストが描かれていますね。
ニールのギターは、伸びやかではあるものの、いつもよりはざらついた印象のトーンで、ソロにオブリガードにブルージーなフレーズを連発していますね。新加入したナダラとグレッグのリズム隊は、重く実にタイトで、ボトムの低いグルーヴ感のある、流石のプレイを聴かせてくれます。
このサウンドの変化は、リズム隊のチェンジはもちろん、とりわけプロデュースを務めた、ブラック・ミュージックに精通するナダラの影響が大きいのは間違いないでしょう。ニール自身も「これはジャーニーの新しい章だ」とコメントしてますしね。70年代のジャーニーのエレメントをベースにしつつ、ナダラとグレッグの持つ音楽的バックボーンも反映させていくのが、新しいジャーニーが標榜する姿なのかもしれません。
逆にいうと、このサウンドの変化は、日本のファンの多くが求める80sライクな産業ロック、メロハー系から離れていくわけで、ちょっと一抹の心配がよぎります。。「The Way We Used to Be」は3分半程度の短い楽曲であり、あっさり淡白に終わっていくので、これを聴いただけではなんとも判断できませんけど、アルバム全体の方向性にまで及んでいくのか、注目していきたいですね。
聴いてほしい度 70%
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