※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュメタルを紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、 ヒーゼン(HEATHEN)が、1991年にリリースした2枚目のアルバム『Victims of Deception』の1曲目に収録。
一般的にヒーゼンの代表作といえば、1枚目の『Breaking the Silence』が挙げられるでしょう。ちょうどスラッシュ・メタルのムーブメントの最中にリリースされましたし、ロニー・モントローズがプロデュースするなど話題もありましたからね。
ですが、ヒーゼンを良い面で言うと、デヴィッド・ホワイト(Vo)がしっかり歌えるタイプでしたし、悪い面で言えば、ドラムのベチャッとした音作りに締まりがなく、個人的にスラッシュと言うよりパワー・メタル・バンドという風に思えて仕方がありませんでした。
むしろ、次作『Victims of Deception』で、デヴィッドのヴォーカルもレベルアップした上に、ドラムが圧倒的にタイトになり、さらにはギターのクランチリフに磨きがかかったことで、ウィークポイントが一気に解消。スラッシュとパワー・メタルのいいとこ取りをしたような、傑作が生まれたと思います。
今回ピックアップした「Hypnotized」は、そのオープニングにも関わらず8分30秒強!と言う、異例の長尺で奏でられるパワー・スラッシュチューンです。リー・アルタスとダグ・ピアシーがツインで刻む、極上のザックザクのクランチギターが、キャベツの千切り状態で(笑)、何とも気持ちのいいこと!エクソダスのH-TEAMに決して引けを取らない名演と言えますね〜。
デヴィッドの熱くエモーショナルなヴォーカルが、ドラマティックな曲調にマッチいますし、ダレン・ミンターのパワーとスピード感溢れる、前にツッコミ気味のドラミングの格好良さも特筆すべきでしょう。イントロからエンディングまで息つく暇もなく、長さを感じさせない構成は実にお見事です。
現時点では、何とも残念なことに『Victims of Deception』がストリーミング解禁されておらず、、。2004年にリリースした未発表カヴァー&デモによるアルバム『Recovered』の6曲目にデモヴァージョンが収録されているので、これはこれでレアな音源としてリンクを貼っておきます!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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