※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュメタルを紹介していきます。
イギリスのスラッシュ・メタル・バンド、 ゼントリックス(XENTRIX)が、1990年にリリースした2枚目のアルバム『For Whose Advantage?』の1曲目に収録。
アメリカ、ドイツなどのスラッシュ震源地に比べると、当時のムーブメントでやや手薄感が否めなかった英国産のスラッシュですが、その中でも良質なバンドのひとつが、ゼントリックスでした。カタカナを振らないと読めないですね〜。
初期作はロードランナーだったので、当時FEMSから日本盤もリリースされています。映画ゴーストバスターズの珍カヴァーでマニアに少しだけ話題になったものの、その割にパッとしなかったのは、専門誌での評価がお世辞にも良くなかったことで、飽和状態だったスラッシュブームにおいて、完全に埋れてしまった点が大きいでしょう。
それでも、1、2枚目のクオリティは、共に及第点をつけられるレベルでした。サウンドの方向性は、笑っちゃうぐらいにメタリカ、テスタメント辺りを意識しているのが明白ですが、英国産らしい湿り気もそこはかとなく感じさせてくれるのが特徴です。
今回ピックアップした「Question」は、オープニングを飾るスラッシュ・チューンで、キレの良いタイトなリフを伴いながら、目まぐるしくテンポを変化させていく構成が実に俊逸で、演奏もこなれており最後まで飽きさせません。決して重すぎずザラつきすぎない軽快なスラッシュで、実に心地よく聴かせてくれます。
ヴォーカルの唱法にジェイムズ・ヘッドフィールドが降臨しているのはご愛嬌ですけど(笑)、中間部にぶっこまれるメロディアスなギターフレーズも、絶妙のアクセントを加えていますね。
改めて聴くと、もう少し注目されてもよかったのになあ、と思ってしまいますが、2枚目の方は、スーツ姿の男が描かれた謎のジャケットも仇になった気がします。当時でも3本指に入るクソジャケ(汗)認定でしょう。それに惑わされずにトライして欲しいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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