※誰が聴いてもヘヴィ・メタル!な楽曲を紹介していきます!
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、エレジー(ELEGY)が、1992年にリリースした1枚目のアルバム『Labyrinth of Dreams』の2曲目に収録。
エレジーも遂にストリーミング解禁!ですね。デビューが92年、日本では93年という、80年代からのHM/HRが瀕死状態のあった時期でした。いい意味で時代錯誤も甚だしいメロディックなメタルサウンドを引っ提げ、突如、救世主のごとく登場しただけに、未だ鮮烈な記憶に残るバンドです。
筆者が最初に手にしたのは、ドイツのシャークレコードからの輸入CDでしたけど、あまりの良さに、一聴して腰を抜かしそうになりました。基本はクイーンズ・ライクの影響下にある、テクニカルでメロディックなメタルでしたが、そこまでプログ・メタルっぽい要素は強くなかったですね。
むしろ、ハロウィンに端を発する、ジャーマンのメロディック・パワー・メタル、また北欧のネオ・クラシカル・メタルの要素が強く、それらが絶妙な比率でブレンドされている印象でした。オランダ出身ながら、ドイツのレーベルとの契約や、ドイツのスタジオでレコーディングしたことも無関係ではなかったでしょう。
総じて楽曲の質は高く、メロディ、アレンジも劇的そのものですが、そのインパクトを高めたのは、エドワード・ホヴィンガの天を突き刺す、超ハイトーンヴォイスです。ジェフ・テイトとトニー・ハーネルをミックスさせたかの如き歌いっぷりは、圧巻の一言!自らが出せる音域の、限界ギリギリまで攻めて行くスタイルは、メロディをさらに熱を帯びたものにしていきます。
さらに、ヘンクとアーノのテクニカルを極めつつ、こちらも、限界まで劇的なメロディを追求していくギタープレイが合間って、高次元のメロディック・メタルが生み出されたんですね。ルックスも悪くなかったですし、日本で人気が出たのも頷けます。
今回ピックアップした「I'm No Fool」は、エレジーの劇的なメロディの魅力を凝縮した代表曲で、あの暗いオルタナ・グランジ時代に、一筋の光を照らしてくれた、思い出深い楽曲です!”ア〜イム、ノーフ〜ル!”って、何回リピートしたかわかりません(笑)。
イアン・パリーにヴォーカルがチェンジしてからの作品もいいですけど、やはりこの初期衝動を詰め込んだ、デビュー作の凄さには勝てません!ちなみに日本盤ジャケットは改悪でしたね(笑)。
ぜひ、一度聴いてみてください!