※まさにHM/HRの黄金時代、80年代を彩った楽曲を振り返ります!
アメリカ / ドイツのハード・ロック・バンド、 キングダム・カム(KINGDOM COME)が、1989年にリリースした1枚目のアルバム『Kingdom Come』の7曲目に収録。
数多の80sHM/HRバンドの中でも、シーンに賛否両論を巻き起こし、記録以上に記憶に残るバンドが、このキングダム・カムでしょう。ドイツ出身のシンガー、レニー・ウルフが、日本では人気を博したストーン・フューリー解散後に結成したのがキングダム・カムでしたね。
メジャーのポリグラムと契約し、プロデューサーにボブ・ロックを迎えた鉄壁の布陣でリリースされたデビュー作は、アップデートされて甦ったようなレッド・ツェッペリンそのもので、シーンに衝撃を与えました。
個人的には、あのストーン・フューリーのシンガーだったのか!というのが、初めて聴いた時の驚きでした。確かにレニーのハイトーンはロバート・プラントっぽかったとはいえ、ストーン・フューリー時代は、そこまで似てるとは思いませんでした。楽曲に合わせて唱法までプラントに寄せてきましたね。
ツェッペリン再来!みたいな盛り上がりムードから、アルバムは全米12位と大ヒット。ところが次第に、ただのモノマネじゃねえの?みたいな批判へと風向きが変わり、、賛否渦巻く事態に。。
さらに、ゲイリー・ムーアがソロ作において、オジー・オズボーンをゲストに迎え、キングダム・カムを批判する「Led Clones」をアルバムに収録したり、ツェッペリン自身によって盗作で訴えられた?というニュースが出たり、HM/HRシーン内外にも批判の声が強まってしまいました。
結局、スキャンダラスな逆風の中、バンドの本質や確かな実力が正当に評価されず、わずか2枚で一度解散。その後、復活してコンスタントに活動したものの、最初に植え付けられたモノマネのレッテルを剥がすことはできませんでした。
今回ピックアップした「Now Forever After」は、アルバム中で最もツェッペリン色が薄い、メロディアスなハード・ロック・チューンです!むしろストーン・フューリーを彷彿とさせる哀感溢れる良質な美メロを堪能できて、日本人好みの1曲となっています。この方向性の楽曲がもっと聴きたかったなあ。。
89年の来日公演にも行きましたが、十分及第点を与えられるライヴパフォーマンスでした。決して”レッドクローン”で終わるようなバンドではなかっただけに、良くも悪くもあの売り出し方でなければ、本当の意味での成功を手にしたかもしれませんね。
ぜひ、一度聴いてみてください!