※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、カクタス(CACTUS)が、1970年にリリースした1枚目のアルバム『Cactus』の1曲目に収録。
間もなく12月15日に75歳の誕生日を迎えるレジェンダリーなドラマー、カーマイン・アピス。ロックシーンで永きに渡り、数えきれない名演を残してきたカーマインですけど、このカクタスでのドラミングは特筆すべきものと言えます。
ヴァニラ・ファッジの盟友ティム・ボガート(B)とともに、ジェフ・ベックの誘いで新バンド結成に動いたカーマインでしたが、ベックの交通事故により頓挫したことで、ボガートら4人編成で新たに結成したのがカクタスでした。
そんな経緯を吹き飛ばすようなエナジーに満ち溢れたデビュー作は、アメリカン・ハード・ロックの原点のひとつと言える、歴史的重要作に仕上がっています。
中でも今回ピックアップした「Parchman Farm」は、ジャズピアニスト、モーズ・アリソンのカヴァーで、アルバムのオープニングを飾る高速ハードブギ・シャッフルの名曲です!カーマインとボガードによる最強のリズム隊は、まるで土煙を巻き上げながら暴走するかの如き、スリリングな魅力に満ち溢れています。
70年という時代を考えると、まさに驚異的なBP Mとスピード感ですよね〜。それだけに、多くのアーティストに影響を与えていますが、知られるところではヴァン・ヘイレンでしょう。まだその名を名乗る以前に、カヴァーしていたようですね。書籍「ヴァン・ヘイレン・ライジング」に、その記述が出てきます。
確かに、ヴァン・ヘイレンの「I'm the One」辺りの原点と言える曲調ですよね。さらに、カクタスのデビュー作に収められた「Let Me Swim」はイントロの構成が「Eruption」と全く同じ!驚きますので、合わせてストリーミングでチェックして欲しいところです。
日本ではこのカクタス直後に、ようやくベックと合流できた、ベック・ボガード・アンド・アピスの方が、何とか注目された感がありますけど、その歴史的影響力を考えると、カクタスはもっと評価されるべきバンドだと思いますね!
ぜひ、一度聴いてみてください!
「Let Me Swim」はこちら!