※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、サーロード・バルチモア(SIR LORD BALTIMORE)が、1970年にリリースした1枚目のアルバム『Kingdom Come』の9曲目に収録。
今回は珍しく一気に時代を遡って、70年代のど頭へと行きましょう〜。ヘヴィ・メタルの始まりやルーツは諸説ありますけど、こと音作りに関して、さらにアメリカ発で言うのなら、伝説的なパワートリオ、サーロード・バルチモアが呈示したサウンド形態が、現代に通じる元祖ヘヴィ・メタルのひとつと認められるのは間違いないでしょう。
バンドの結成自体は1968年で、本デビュー作で世に出たのが、70年の12月でした。同年といえば、例えばブラック・サバスのデビュー作が70年2月、ディープ・パープルの『In Rock』が70年6月など、HM/HRの元祖的な名バンド作品が、次々と発表された時期です。
そうした名作群と比較しても、本作の”メタルっぽさ”は、今聴いても明らかに1歩抜けていますね。リフ主体に押しまくる歪みきったギター、性急なリズムと手数の多いドラミング、ブーミーなサウンドで動きまくるベース、シャウトを織り交ぜたパワー満点の唱法など、そのけたたましい音像は、とても70年代初頭とは思えません。
今回ピックアップした「Helium Head (I Got A Love)」は、収録曲の中でも、1、2を争う騒々しい原始的メタル・チューンです!ヴォーカルのメロとギターが絡みつくアレンジはジミ・ヘンぽく、ギターとベースの絶妙なユニゾンも含めてシビレますね〜。それにしても、弾きまくるリードギターと、曲が終わっても叩きまくるドラムのウルサイこと!ホント最高ですね〜。
筆者が本作に辿り着いたのは、LPを偶然手に入れた80年代末期でしたが、すでにかなりの貴重盤扱いになっていました。中古レコード店で見つけたとき、手が震えましたからね(笑)。まあ盤の状態は酷かったですし、今は手放してしまいましたけど(笑)、初めて聴いた時は、確かに語られるだけの価値があるバンドだなあと感じました。
こうした聴くことすら困難だった作品が、今や気軽にストリーミングでアクセスして聴けるのは、実に素晴らしいことですし、いい時代だなあとつくづく思いますね!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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