※これぞ80s!のイメージなヘア/グラム/LAメタル系を紹介していきます。
アメリカのハード・ロック・バンド、キック・トレーシー(KIK TRACEE)が、1991年にリリースした1枚目のアルバム『No Rules』の9曲目に収録。
ロサンゼルス出身のキック・トレーシーは、80sメタルムーブメントの後発組を代表するひとつで、88年に結成されました。最後にミネアポリス出身のシンガー、ステファン・シャロックスを迎えラインナップが固まり、その後スローターでお馴染みのダナ・ストラムをプロデューサーに迎えて完成したのが、本デビュー作でした。
91年といえばオルタナ・グランジ旋風のまさに前夜も前夜。彼らのサウンドは、基本的にガンズ・アンド・ローゼズやエアロスミス辺りを彷彿とさせるハードでダーティーなロックンロールを身上としていますけど、同時に時代性を感じさせるダークでオルタナティヴな要素がそこはかとなく漂っているのも、特徴と言えるでしょう。
今回ピックアップした「Tangerine Man」は、キック・トレーシーの中では比較的アップテンポなノリの良さと、80sのヘア / グラム・メタル由来のキャッチーなテイストが最も強めに出たハード・ロックンロール・チューンです!
跳ねるような小気味のよいリズムが、思わず身体を動かしたくなるような抜群のノリを誘発していますね〜。一筋縄ではいかない楽曲センスや演奏陣のレベルも高いですけど、一番のセールスポイントは、爬虫類系の声質と唱法が光るステファンのヴォーカルでしょう。ほんとシーンに登場するのがもう2、3年早ければ、、もっと注目されメインストリームに躍り出る存在になったかも?しれません。
それにしても、当時の日本盤CDのオビタタキが「ロックンロールに火を放て! 女たちはヒステリックな悲鳴とともに下着を濡らし、男どもはつかみ合いと拳の応酬に身を焦がす」って、、一体何が言いたかったんでしょうか〜(笑)。