※これぞ80s!のイメージなヘア/グラム/LAメタル系を紹介していきます。
スウェーデンのハード・ロック・バンド、トラッシュ(TRASH)が、1985年にリリースした2枚目のアルバム『Burnin' Rock』の2曲目に収録。
80年代初期~中期の北欧メタルブームでは、ヨーロッパを代表とする透明感のあるメロディアスなバンド群、バイキングをイメージさせる男臭い正統メタル群が多く登場しましたけど、このトラッシュは少々異色の存在と言えるかもしれません。
83年に日本でもデビューアルバム『Watch Out』をリリースしましたが、AC/DCタイプのスリージーなハードロックンロールを信条としており、日本のHM/HRファンがイメージする北欧メタルとは少々かけ離れたサウンドを奏でていました。ジャケットの雰囲気もストリートのロックンローラー風情を醸し出していましたね。
そんなトラッシュがアメリカのメジャー、アトランティックレコードに目をつけられ制作されたのが本作でした。何と言ってもプロデュースが、ラウドネスに地獄のレコーディングを強いたマックス・ノーマン!なのがポイントでしょう〜。
デビュー作では北欧のローカルバンド臭が否めない、ちょっとくぐもったようなプロダクションだったのに、マックスのプロデュースで曇りが取れたようにクリアでゴージャスなサウンドに大変身!メジャー感をしっかり醸し出しているのはさすがですね〜。
楽曲もアメリカ市場を意識したのでしょう、ミッドテンポのどっしりタイトなノリの楽曲を揃えています。Spotifyでは1曲目の「Boogie Woogie Man」の再生回数がダントツですけど、ちょっとAC/DC過ぎるでしょ、コレ(笑)。
ということで今回ピックアップした「Burnin' Rock」は、タイトル曲に相応しい、どっしりしたロックンロールに80sのヘア・メタル風の雰囲気を随所に加味したクールなハード・ロック・チューンです!
ギターのコードワークやシンセの使い方を含めてアレンジが巧みで、ヘッドホンで聴くと楽しいですし、中間部はデフ・レパードの「photograph」みたいにキャッチーな展開が最高です。中音域で男らしく歌うヴォーカルスタイルもマッチしていますね。
好作品に仕上がりましたが、全米マーケットの壁は厚かったのか、わずか2枚で消息を絶ったのは残念でした。。